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「1Q84」とMac、そして村上春樹とマックの深い関係(あのCMの動画付)

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村上春樹氏のベストセラー小説1Q84。ジョージオーウェルの小説1984に登場する独裁者「ビッグ・ブラザー」を意識した1984年が舞台の小説です。そして、1984年といえば、Appleの初代Macintoshが世に出、1月22日スーパーボールのCMで強烈な印象を与えた年です。

YouTube でこのCMを見ることができるので、是非ご覧ください。日本の基準でもこのCMはよく出来ていると思います。
アメリカのテレビCMと言えば、「ほらこんなに、汚れが落ちるだろ、これでたった1ドルもしないんだ、今すぐ買おうぜ!!」というような、売り込みの宣伝がほとんどであり、そういう常識からすると、度肝を抜かれたことでしょう。

コンピューター業界では、青い巨人が長らく支配していたのですが、そういう抑圧を解放する旗手としてMacが大いに歓迎されたことがよく理解できます。

さて、小説の1Q84、私は村上春樹が「風の歌を聴け」で人気を得てから、「ノルウェーの森」まで熱心に読んでいたのですけど、ハルキ・ワールドが健在で変わらないことに驚きました。昔から、音楽が重要なモチーフで、ワーグナーの序曲を聴くことを取引条件に...とか、ブルックナー好きとか、もちろん、ボブディランにビートルズも出てきます。高速道路から始まる1Q84は、地下鉄から始まる「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の発展系として読めました。

大きく変わったのは、世界の方でしょう。当時架空の存在だった、深夜営業のマクドナルドは珍しくなくなり、コーヒーはおいしくなりました。「マクドナルドのコーヒーなんて飲まない。」そんなせりふさえあって、よっぽど、「北米文化=まずくて薄いコーヒー」の象徴だったのでしょう。
ニュービートルがまだ無かった時代に、フォルクスワーゲンビートルのフロントエンジンとかの描写をしていた、80年代の小説とは違い、2009年に書かれた1Q84では細かい自動車の描写がされていました。

さて、今の時代、1Q09、2009年の第一四半期はMacで新しいバージョンのOSが登場し、Windows 7パッケージ版出荷前という状況で、1984年ほど、パーソナル・コンピュータへの期待はありません。しかし、使われている数は膨大に増え、多大な仕事、発想、思い出、そして、生きた証がパーソナル・コンピュータから生まれています。電話に入ったコンピュータとかコンピュータはより広く使われつつあります。当たり前な存在のありがたみを今一度思い出すべきときが今かもしれません。

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