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売れない時代を切り開くキラーパス、BtoB企業のリード志向マーケティング

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サッカーでゴールハンターが賞賛されるように、BtoB(ビジネス向け)企業の花形は、よく売る営業でしょう。多少無理な案件でも強引にクロージング、大きな案件をまとめあげて、会社の成長に貢献する、日韓ワールドカップ時のロナウドのようなワールドクラスのストライカーがわが社にも居たら、どんなに楽か、そう思う経営者は多そうです。

一方、ゴールハンター不足ゆえか、ここ最近の日本のサッカーでは、プレイメーカー(司令塔)のキラーパス(得点に結びつく可能性が高い決定的なパス)が持ち上げられてきました。もちろん、独特の嗅覚で点を取り捲るような選手が多数いたら、ちまちまチャンスを作る仕事は地味で注目されないかもしれません。しかし、なかなか点が取れないからこそ、ボールを繋いでチャンスを作ることの重要性が認識されています。

なかなか売れない時代だからこそ重要な、BtoB企業のリード獲得

得点力不足が嘆かれる昨今の日本サッカー並に、日本の多くの企業が売り上げの伸び悩みに直面しています。画期的な製品でどんどん売れるとか、市場が急拡大とかいうことはまれな時代だからこそ、BtoB企業はマーケティングでどれだけのチャンス(パイプライン)をつくり、営業に渡すデマンドジェネレーション(=広い意味でのリードジェネレーション)が重要でしょう。

売り上げ不足に陥ると、マーケティングの予算や人員を削って経費削減しがちなのですが、BtoBマーケッターは自己防衛のためにも、活動をリードジェン志向に変えて成果をわかりやすくする必要があると思います。

1990年代後半、私が、マイクロソフトでサーバー製品のマーケティングをやっていたころは、デマンドジェネレーションという意識はあまりありませんでした。市場の風を作れるか、とか乗れるかが重要で、ニーズに合う製品を世に出せば売り上げがついてきました。その後、日本オラクルなどを経て、デマンドジェネレーション志向のマーケティングへと自分と仕事、そして市場環境が変わって、昔のように市場のモメンタム作りだけでは売り上げがなかなか付いてこないことを実感しています。デマジェンから営業に繋いで刈り込まないと売り上げに結びつきにくくなっているのです。

このデマジェン志向マーケティングは、IT企業固有の考え方ではなく、ある程度案件単位の大きなBtoB企業であれば同様に当てはまることのようです。昔はIT外資が本社からリード獲得を命令されて困って相談するようなケースが多いと聞いていたのですけど、BtoBマーケティングの日本の草分けともいえる、シンフォニーマーケティングの庭山社長によると、今ではIT以外の顧客が増えているということでした。

10年遅れているなどとよく聞く日本のBtoBマーケティングですが、日本固有の難しさもあって、苦労し、悩まれている方がで多くいらっしゃると思います。私もその一人なのですが、この場をお借りして、その勘所や、悩みを語り、突っ込みやアドバイスをいただければと期待しています。微力ながらも日本のBtoBマーケティング発展に役立てれば、それが一番の喜びです。

お断り:
本ブログでの坂本英樹による投稿やコメントは、あくまで個人の主観に基づくものです。現在および過去の勤務先の意見や見解を表すものではありません。

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