ノーエンジニアデー実施中
私の所属部署では複数のBtoCのメディアを運用していて、
1メディアにつきエンジニア1名が担当しています。
インフラ機器選定やラッキング作業、システム設計・開発、監視等、
そのエンジニアの裁量は多岐にわたります。
エンジニアとしての視野は必然的に広がり、
非常にやりがいのある職場ではないかと感じています。
しかしそれは、場合によっては膨大な運用作業に日々が埋もれてしまい、
いつの間にか働く意義・目的を見失いがちです。
エンジニアは、基本的にはモノづくりが好きな方が多いので、
同じような作業を日々繰り返すような運用作業では
モチベーションが保てないことが多いと感じています。
最近ではスマートフォンが注目されていますが、
情勢の変化が激しいIT業界の中におけるエンジニアの役割として、
新しい市場を見据えた技術の研究開発であったり、
流行技術の調査研究は欠かせませんが、
その時間を確保することは容易ありません。
市場参入への出足が遅れることは、大きな損失へつながると考えていますので、
この課題を解決することは非常に重要と思っています。
それらの状況を打開するために、昨年の秋ごろから、
私の所属部署の中でノーエンジニアデーを試験的にはじめました。
# 今回は、その中間報告的な内容になります。
まずノーエンジニアデーの導入に際し、
エンジニア以外のメンバーに対する配慮は非常に重要です。
これまではいつも自席にいて、緊急時にすぐに相談にいける人が、
週に一度、丸一日いなくなりますので、当然不安を覚えるはずです。
緊急時の連絡手段を必ず用意し安心感を持ってもらう事は重要です。
一方で、エンジニアが、邪魔されないまとまった時間を確保するために、
翌日以降の対応で良いものは、なるべく目にしない仕組みは必要です。
現在は、Redmine の使い方を共有して、皆にチケット登録してもらっていて、
今のところうまくいっています。
【ノーエンジニアデーのルール】
・ノーエンジニアデーは毎週水曜日
・通常通りに出勤する
・会議室や空きスペース等、社内の好きな場所で仕事をする
・緊急時にすぐに連絡がつくように、内線もしくはSkypeは準備する
ノーエンジニアデーと言っても、「自宅やカフェで仕事をする」のではなく、
通常通り出勤し「社内の好きな場所で仕事をする」というスタイルをとっています。
「自宅やカフェで仕事をする」場合は、無駄な出勤時間を有効に使えるなど、
いくつかのメリットはあります。しかし、セキュリティ面の懸念であったり、
「社内の好きな場所で仕事をする」より大幅に上回る成果が期待できない限りは
しばらくは社内ノーエンジニアデーを続けていく予定です。
ノーエンジニアデーを続けていく中で、その成果については、
なるべく部署の皆に発表・共有することを推奨しています。
部署の皆の協力でノーエンジニアデーが成り立っていますので、
その成果については報告すべきだと思います。
とある機能のプロトタイプを開発して、
部署の皆に共有してくれたエンジニアがいました。
「これはあくまでプロトタイプなので、皆さんの担当メディアで、
今後これをどう活用できるかのアイデアをください。」という締めくくり。
エンジニアから発したアイデアが、部署の皆の協力を得て、
最終的により良いサービスがユーザに提供できるという流れは
とても素晴らしく、エンジニア冥利につきるのではと思います。
ノーエンジニアデーを実施する中で感じる課題は、
日々の運用業務をノーエンジニアデーでもやってしまいがちな点です。
基本的に何をしても良い日としていますので、
日々の運用業務を集中的に処理する使いかたはOKですが、
毎週それを続けるのは、本来の目的から逸脱しますので、
何らかの対応は検討したいと思っています。
今後やりたいこと、理想としては、
エンジニアメンバーで一日で1サービス創り上げるぐらいの開発合宿的なことを
定期的に実施して、試験的サービスを矢継ぎ早にリリースしてみたいですね。
最後に、ノーエンジニアデーは、仕事をしやすい仕事環境として捉えるのではなく、
さらにそこから先の、エンジニアが新しい何か生み出す仕組みへと昇華すべく
改善を進めていけたらと思っています。