経営者の、創業メンバーに対するジレンマ
久しぶりにまとまった休暇をとり、
久しぶりに実家に帰省しました。
これからまたしばらく忙しくなるので、
それに備えて鋭気を養うことが出来ました。
その帰省中に父と雑談をする中で、
自分のこれまでの体験と非常に共感した話がありました。
今回はその内容に触れたいと思います。
父は、現在は転職して造園業を営んでいますが、
前職では、建設会社の創業メンバーとして
休日返上で20年以上働いていました。
現在はその職を離れて10年ほど経っていますが、
帰省中に、その前職の会社が今年倒産したという話を耳にしました。
前職の父は、創業当時は、ただひたすら、がむしゃらに働いていたと言っていました。
その創業期の様子を私なりに想像すると…
・何もないゼロからのスタートで、
・創業メンバーの志は皆同じで、
・同じゴールを目指して取り組んでいて、
・その中で様々な衝突がありつつも、
・お互いの貢献を尊重し合い、
・調和や信頼が生まれていて、
・少ない人数でありながらも、
・それぞれのメンバーが自分の役割・責任範囲を超えて
取り組んでいたんだろうと思います。
父が退職するまでの20年間で、
社員は入れ替わりを繰り返しながら創業メンバーは徐々に退職していき、
創業期から残ったメンバーは社長と父の二人となったそうです。
社長は、創業時から苦労を共にした父を大切に考えていたらしく、
父を成長させようと勤務時間後に様々なことを叩きこんでいたと聞きました。
当時の父も、それに応えようと頑張っていたといいますが、
先日の倒産の話をしたときにこう言っていました。
# 創業メンバーを大切にするのもいいかもしれないが、会社の成長の妨げとなってはいけない。
# 成長性のある社員もいたが、社長は私とそりが合わない人はすべて辞めさせてきた。
# その人達がいま要職に就いていれば倒産はなかったのかもしれない。
これを聞いて、(初代)経営者の難しさの一端を感じた気がしました。
創業当時から苦楽を共にしてきたメンバーであればなおさら、
人生と共に長く働き続けていきたいですし、
事業の成功を分かち合うことは最上の喜びだと思います。
それは創業メンバーでなければできないことだと思いますので、
(私は経営者の経験はありませんが)
創業メンバーを失うことは、これらを失うことなんじゃないかと想像すると、
相当の決断がいるのではないかと思います。
父の話は人事面の話でしたが、おそらく何事においても経営者という役割は、
決断する度胸、またそれを判断するタイミングが、
会社の成功や失敗につながる重要な事なんだと感じました。
そして、非情になれるかどうかが、実は一番重要なんじゃないか、ということを感じた休暇でした。