On Vox: Interop 08 ラスベガス、 目玉はCloud Computing
今週、ラスベガスで企業情報システム系の展示会、Interop2008が開催されたので、取材に行ってきました。今年はSoftware2008と言う会議と併設で、約2万人の来場者とか。(これで今年は既に3回?ラスベガスに出張です。ふ~)
Green ITとか色々面白いトピックがありましたが、僕的には...
今年の目玉はCloud Computing。
Amazon社のEC2やGoogle Appsなどが注目されました。Grid Computing、Cloud Computing、Utility Computing、SaaS、PaaS(Platform as a Service)、Widgetなどの流行語が乱れ飛ぶ感じで、混乱気味です。
用語を整理すると、SaaS/PaaSはアプリケーション層における分散コンピューティングの動き。そうした分散アプリケーションに適したデータ・センター機能を提供するのがCloud ComputingやUtility Computingと言う概念。もちろん、これらは仮想化技術がベースです。GridはCloudと同義にも使われているし、データセンターを超えた広域コンピューティング・システムという意味で使われていました。
いずれにせよ、必要な情報処理能力とストレージ容量を機動的(日にち単位で変更可能)運用する技術としてCloud Computingが持てはやされました。この点、昨年のInterop会議からの進歩。
面白いのはGoogle社。SaaS/PaaS大手のSalesForce.comと提携する一方、独自のGoogle App Engineを発表して、Cloud市場への参入を開始しています。将来的には、Google Appsをベースに一括で企業システムを提供するビジネスを狙っている。展示会場で、営業マンが一生懸命、企業への売り込みに力を入れていました。(←なかなか涙ぐましい)
通信業界ワッチャーである小生としては、こうした分散アプリケーションの動きに対応した“New WAN Service”の台頭に心ひかれました。これは、ウェブ・アプリケーションの高速化やSIPトラフィックを専用に取り扱うSIP Trunkサービス、帯域オンディマンドなどで、大手通信事業者が開発・販売に力を入れていました。
ちなみに、Ciscoの人は「米国のインターネット・トラフィックは、6割がビデオだ!」と騒いで、テレプレゼンス(ビデオ会議システム)の売り込みに力を入れてました。高度な回線サービスより、ビデオ会議を売った方が通信事業者にとっては売り上げがのびる!~と言うことなのでしょう。テレプレゼンス分野では、日本メーカーは出遅れ気味。
企業IT・ネットワーク業界は、また一歩、前進した気がします。
小池良次 (www.ryojikoike.com)
Originally posted on ryojikoike.vox.com