On Vox: JavaOne初日は、ラリー・エリソン会長が登場、そして感動的な場面
今日からJavaOneが始まりました。
(ちなみに、昨日のCommunityOneはJavaOneのプレショーで、サンマイクロのプライベート会議)
初日のポイントは3つ:
1)Java Storeを発表。
これはAppleアプリケーション・ストアーのジャバ版です。今日からベータ版を北米市場で公開します。今後、課金システムやバージョン管理機能などを整備して、世界展開をするそうです。(日本にはいつくるでしょうか?)ジャバ開発者とユーザーを直接結ぶ「ディストリビューション・チャンネル」を狙う面白い取り組みです。
2)JavaFXの開発状況を紹介。
これは同社のビデオ・オーディオ制作・配信ツール。たしか3月ぐらいに、すでにちょっと紹介されていますね。今回は年末までには本格投入を約束しました。先行するAdobeを追うわけですが、どこまで善戦できるか興味深い。
3)オラクルに買収されたサンの行方
朝の基調講演最後は、サンのスコット・マクニーリ会長とオラクルのラリー・エリソン会長が登場しました。エリソン会長は今後も、ジャバ・コミュニティーへの支援を約束しました。実は、サンがオラクルに買収されたので、ジャバ・コミュニティーは今後の支援体制に懸念を持つとともに、サン・マイクロの今後を憂えています。両会長は、今後も大きな変化はないと繰り返えしました。とはいえ、サンの行方は不透明です。
(詳しくは日経ウェブのIT欄に今日あたり記事があがるので見てください)
そして、またひとつ感動的な場面に出会いました。
基調講演を終えてスコット・マクニーリ会長が壇上から降りようとすると、集まった数千人(←ちょっと大げさ)のジャバ開発者が総立ちになって、彼に拍手を送ったのです。マクニーリ氏が両手を挙げて、やめるような仕草をするまで、まさに延々と。
そう。買収されたのでマクニーリ会長は、これでサンの経営実権を失います。つまり、オープン・ソースを支え、ジャバを発展させてきたマクニーリ&サンマイクロのコンビは、今回を契機に消えてゆくことになるでしょう。観衆はそれを知っているのです。
「長い間、本当にご苦労様。お疲れ様でした」
そんな思いを込めて、ジャバ開発者の皆さんは総立ちになって、熱い拍手で彼を見送ったのです。ぼくは、こんなシリコンバレーの暖かさに、思わず胸が熱くなってしまいました。へたな写真で恐縮ですが、中央で背中を向けて両手を広げているのが、マクニーリ会長です。実に感動的でした。
もちろん、これが「彼とのお別れではない」のですが、シリコンバレーにひとつの時代を築いた偉人として、私も心から敬意を表したいと思います。
小池良次(www.ryojikoike.com)
Originally posted on ryojikoike.vox.com