On Vox: Google I/O2日目、衝撃のGoogle Wave
グーグルは開発者会議2日目にGoogle Waveを紹介した。
どう説明して良いかわからないほど、衝撃的なアプリケーションと言える。細かい機能などは基調講演のビデオ(http://wave.google.com/、英語版のみ)がアップされているので、ぜひごらん頂きたい。
Google Waveは一見、最近流行のUC(Unified Communication)ツールのように見える。電子メールとチャット、写真共有、ウィキ、マッシュアップスなどの機能を統合しているからだ。
では、IBMのLotusなど、代表的なUC商品と同じかと問われれば、「違う」と答えざるを得ない。従来のUCとはまったく違うアプリケーションに仕上がっている。たぶん、これまで各社が進めていたUC開発競争を一変させることになるだろう。俗に言われるゲーム・チェンジャー的な製品だ。
抽象的な説明で実に恐縮なのだが──
従来のPPTは、紙の上で処理していた物をコンピュータに代替させることで飛躍的に生産性を高めた。インターネットの登場で、これに電子メールやチャット、ネット電話が加わった。しかし、それらはインターネットという世界にありながら、サービスとして独立したものだった。一方、Google Waveはネットに関係する様々なサービス群(検索、メール、チャット、ビデオ、写真共有、ビデオ配信などなど)をひとつにまとめて、効率よく利用するためのプラットフォームであり、ネット活用のための生産性ツールと言えるだろう。
インターネットの底力、新たな可能性を強く示唆するアプリケーションといえる。
今日紹介されたGoogle Waveにはあまりに多くの可能性が秘められている。たぶん、ワープロや表計算がパソコンを普及させたように、Google WaveのようなPPTがネット端末(ネットブックやモバイル・パソコンなど)を普及させるだろう。企業アプリケーションのあり方も変えるかもしれない。アップルのiPhoneが携帯電話における進化の方向を変えたように、Google WaveはUCの進化方向を変えることになるだろう。
そこにはアップルのハイパーカードが当時アプリケーション業界に与えたようなショックを感じる。ハイパーカードやiPhoneのようなエポック的な存在になるかもしれない。
小池良次(www.ryojikoike.com)
Originally posted on ryojikoike.vox.com