On Vox: 2008年、ワイヤレス注目の10トピック(inCode発表)
いよいよ12月も終わりに近づきましたが、無線系コンサルタントのinCode社が、今年も「2008年注目の10大トピック」を発表した。もちろん、ワイヤレス分野に限ったもので、かなり専門的な分析ですけど・・・米国のワイヤレス事情をうまくとらえています。
タイトルだけ、以下にあげますと:
1. RF Technology Convergence Will Finally Start to Materialize
(OFDM時代で、次世代高速無線技術が統合の動き)
2. A New Wholesale Carrier Will be Born
(700MHz競売などで、米国では無線ISPビジネスのホールセールが生まれる)
3. Device Proliferation: Open Access as an Emerging Business Model
(携帯端末を中心にオープンアクセスが拡大)
4. Quality of Service Differentiation ? The Road Begins This Year
(QoSによる差別化の重要度が増す)
5. Wireless Broadband is More About Speed Than Mobility
(無線ブロードバンドは、モビリティーよりもスピードが重要)
6. P2P ? From Theft Model to Business Model
(P2Pは重要なビジネス・ツールに脱皮)
7. In-building and Femtocells ? Show Me The ROI
(フェムトセルはほんとに儲かるのか?)
8. Backhaul Makes a Haul ? A Move From Wireline to Wireless
(3G携帯はスピードアップが進み、集線網がボトルネックに)
9. Mobile Advertising Gains Steam ? Will it Stick or Get Stuck?
(モバイル広告は急成長~注目すべし)
10. Mobile Device Security ? The Internet Brings its Security Baggage On the Road
(iPhoneなどの登場で、セキュリティーはますます重要)
注)英文はオリジナル通り、日本語部分は僕が勝手に意訳しました。間違っていたらすみません。
このなかでも「次世代無線技術の融合」「ホールセール」「P2P」「QoS」の4つは重要とinCode社は述べています。
僕自身は、「次世代無線技術の融合」と「ネットワーク・オープン化」はその方向に進むと思います。注目したい。
「ホールセール」が成功するかどうかは、僕自身は疑問です。1990年代のPCSオークションで、Nextwave社などがホールセールモデルを追いかけましたが、結局実現しませんでした。あの時代と現在を比較してみると、大手の市場支配力はますます強くなっており、中小事業者がホールセールで伸びるには難しい環境になっているのではないか(←小生の仮説)と思うからです。もちろん、地方・僻地市場は別ですが、ドル箱の大都市圏は難しい。
あとinCode社のリストにはありませんが「IMSによる融合サービス」が2008年は始まるので、その点は注目したいですね。
原本はベリサイン社(inCode社の親会社)のホームページ(リンクはここ)にあります。もちろん、英文ですが興味のある方はどうぞ。
小池良次(www.ryojikoike.com)
Originally posted on ryojikoike.vox.com