ネット時代のコンソーシアムの価値とは?
XMLコンソーシアムが、年に一度開催される紹介セミナーの案内を出しました。
「XMLコンソーシアムって最近は何をやっているんですか?」と聞かれることがあります。「情報はいつでも取れる時代にコンソーシアム的な活動の意義は薄くなってるのではないでしょうか?」と言う人もいます。XMLは勧告からもう7年を過ぎて一般的な技術になり、もうその言葉だけで人が群れてくるような「バズワード」でもありません。
XMLコンソーシアムの設立当初は、XML技術そのものの普及・啓発を目的として活動としていましたが、現在ではXMLの基本的な情報は簡単に手に入りますし、XML技術のスキルを身につけた技術者も増えてきました。
それなのに、私や他の多くのメンバーが何故この活動に注力し続けているのでしょうか?それは、XMLがハイプカーブの「興奮期」、「幻滅期」を乗り越え「成長期」に入り、ITのさまざまなシーンで応用されるようになったというだけでなく、XMLコンソーシアムの活動の中心である「部会」が会社という枠を超えた専門分野の「リアルなコミュニティ」として大変有意義かつ楽しく機能しているからです。
その「部会」、現在XMLコンソーシアムには全部で10の部会がありますが、例えば、以下のような部会があります。
・RFIDからスタートレックまで(笑)幅広く研究・実証し、国内で初めて「ユビキタス」全体を通してXMLの切り口で整理する。
・主にコンテンツとしてのXML(RSS視聴、常識検索、NewsML、XBRL、XML-DB、複合コンテンツ、コンテンツ連携など)をテーマとして研究し、使ってみる。最近では、メーリングリスト、SNS、ブログによるコミュニケーションの比較考察なども行う。
・いくつものヘテロジニアスな環境での実証実験を成功させ、直近では「愛・地球博」に連動し、世界最多※2の13種のWebサービスを組み合わせた実証実験を成功させた。(関連記事)
経営(計画や目標など)とITを明確に関連づけるため、ビジネスモデルの記述方法、ビジネプロセスの分析・表現手法、対応するシステムの設計方法を研究する。
コンソーシアム活動の面白さは、いつも同じ社内の人間ではなく他の企業で同じテーマを持って活動している人と直接意見を交わし、その知見に触れ、一緒に技術実証を行い、大いに刺激を受ける(そして一緒に飲む(笑))といったことです。こういったリアルな活動とリアルなネットワークが、単にニュースや技術資料を読んだりして得る知識・情報と違うレベルの価値を生み出していくのです。
ネットが普及し、誰でも「情報」の入手が容易になった現在、逆に個人が顔の見える形でつながり、議論し、刺激をうけ、アドホックに協力して行う「課外活動」によって得る個人の知恵と成長が、所属する企業にもアドバンテージを与える重要な要素となるに違いないと考えています。
※1:コンソーシアム会員企業以外の方もフリーで聴講できます。
※2:XMLコンソーシアムでの確認の限り。