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夏の日に触れる先人の思い

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 夏休みを利用してインドネシアに行ってきました。2日間お世話になった現地ガイドのKさんは、開口一番「私たちは、日本人のこととても好きです。」と流暢な日本語で話しはじめました。私たち日本からの客を担当する人なので、社交辞令かなと思い聴いていると、理由としてインドネシア独立戦争のことを話し始めました。

 インドネシアの独立記念日は8月17日、今日です。Kさんによると、国中のあちこちで盛大にお祝いの行事があるそうです。そして、その独立を「日本のおかげ」というのです。そういえば、旧日本軍がインドネシア独立に貢献したと聴いたことがあったと少し思い出しました。

 恥ずかしながら「貢献したことがあった」程度しか記憶になかったので、Kさんにさらに話を聴くと、終戦直後に、日本軍が残留してインドネシアの人達と共に最植民地化を狙うオランダと戦ってくれたこと、独立のために連合軍の目を盗んでインドネシアに武器を渡してくれたこと、人々に教育や訓練をしてくれたこと、結果的に独立を果たし、多くの日本兵が国営英雄墓地に祀られていることなどを教えてくれました。

 「日本人がインドネシアにいなかったら独立はもっと時間がかかって、たくさん人も死んだでしょう。だからインドネシアの人達は日本に感謝しています。」と。

 終戦から67年経ち、私自身もその頃のことは全く知りません。Kさんも客商売なので、私は「話半分」で聴いていましたが、気になって少し調べて見ると、現地に残った日本兵の人達が、戦後のみならず戦争中からインドネシア独立に思いを持って活動していたことを知りました。先人の思い、活動、その積み重ねが、この個人的な訪問にまで影響しているのかと思うとはっとしました。

 仕事をしていると、しかもテクノロジーの世界に身を置いていると、どうしても未来志向になります。いかに未来を考えるために時間を使うかに腐心します。過去はどうあれ未来を創ろうと。しかし、過去にはその時点での未来志向があり、その思いをもって活動した先人達がいてこそ今があるのです。感謝の気持ちがこみあげてきました。

 自分がいる社会、環境も先人の思い、活動の結果です。いまの自分がいるのは、自分の努力の積み重ねのように見えますが、家族、友人、社会の多くの積み重ねの上に成り立っているのです。

 そう思うと、前職の外資系時代の自分を思い出して少し恥ずかしくなりました。まだ20代だった私は、自信満々で、どんどん新しいことをやる事ばかりに注力していて、変えようとしない先人を批判したりしていました。しかし一方で、変える対象となることをゼロから創り上げて来た人達でもある訳で、いま思えば先人への理解、感謝が足りていなかったと思うのです。

 未来から見たら、自らも「先人」の一人になります。いま自らがいる全ての環境を創ってくれた先人達に感謝を忘れず、また多くの人に役立ち感謝される「先人」となりたいと願った夏の日でした。

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