DRMの進化て重要だよな
この何日かメディア系のPCをいじっていていろいろ考えさせられました。
今、家にはいろんなメディアが転がっています。
さすがに溝のレコードは残ってますが再生できません。レーザーディスクはがんばって廃止し、すべて売ったり廃棄したりしました。MDには手を出さないでいたら通り過ぎました。
カセットテープ、VHSビデオ、8mmビデオ、CD、DVDは未だにたくさん持っていますし再生もできます。DVDは購入したものもあれば、録画機で録画したテレビドラマや特集番組もあります。DVD-VRやDVD-Videoで保存されています。
いま、サーバーをメディアストレージに保存するように構築中で、メディアをできるだけやめていこうと思っています。写真はJPGなどに、音楽はMP3などに、映像はMPEG-2やH.264に保存していきます。
ところが困ったことは、「著作権保護」されているデータです。テレビ番組を録画したデータは著作権保護がかかった状態でDVD(CPRM)などにコピーすることになります。DTCP-IP対応のサーバーがあれば、当然そこに保存はできるのですが、ストレージ老朽化、サーバー老朽化、データフォーマットの次世代化、といった波がたぶんまた数年で来ることでしょう。そのとき、そのDTCP-IPでコピーされたデータは、次のマシン環境へ「移行」することはできるのでしょか。
RAIDを組んで安全性を確保するとしても、自宅で管理するのはなかなか大変です。HDDが壊れるたびに修理が必要です。PCは何年かすれば老朽化したり陳腐化したりします。そのたびに、移行作業が必要です。できれば、インターネット・クラウドに保存して、安全性は確保してほしい。まだまだクラウドのメディアストレージは、家庭のドラマ録画や家庭用ビデオの録画データをマスターとして保存するには能力が足りないと感じますが、あと数年でそういう時代も来るかもしれません。
そうすると、もうひとつ懸念、というか疑問があります。それは、「番組は録画する必要はあるのか?」ということです。
家庭でドラマを録画してクラウドに保存したとします。全国で100万人の人がクラウドに録画したら、その番組データの単なるコピーが100万個作られるだけです。すごい無駄ですね。それは、そもそもマスターのデータを放映元がクラウドに置いて「私はその映像を見る権利を持っている」ということだけを管理すればいいような気がします。
最近、オンデマンド化が進んでいます。ちょっと前の番組を見逃したら、300円程度のお金を払うと視聴できます。テレビ局などがストレージを用意し、番組は放送後いくらでもお金を払えばオンデマンドで視聴できるという時代が来たら「番組を家庭で録画保存する」という行為に価値はないように思います。録画してメディアに焼いてスペースを使って保存する、というコストは、もしからしたら視聴のたびに払うお金より高いかもしれませんし。
いえ、録画だけではありません。メディアによる購入も、同じ道をたどるかもしれません。現に、CDでの販売は減退し、音楽ダウンロード販売は増加しています。これまで、気に入った映画タイトルをVHS→レーザーディスク→DVDと買い換えて来ました。今度はBlue-rayを買うのでしょうか?私はBlue-rayディスクはレンタルで借りて観るかもしれませんが、購入しないかもしれません。HDレベルのデータがオンデマンドで観られる時代になりつつあります。別に家の空間をそのメディアの保存のために使う必要はないではないですか。センター(今の言葉ならクラウド?)に映像データが存在し、オンデマンドで視聴できればいいだけです。
そういう時代になると、購入するのはもはや「メディア」や「データ」ではなく、「権利」なのでしょう。
今後、HD映像がストレージ保存・ネット配信というスタイルが進めば進むほど、「無駄なコピーを作らない」で「観る権利のある人だけに視聴させる」というDRMの技術革新がもっともっと必要だと感じました。