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アメリカでもCOVID-19接触通知アプリは役立っていないそうです

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Business Insiderの以下の記事によると、アメリカでもCOVID-19接触通知アプリは役立っていないそうです。
Apple and Google partnered to develop contact-tracing apps to fight COVID-19 -- but they fizzled in the US because people barely used them
アメリカの場合、アプリの導入が国ではなく州単位で、半数強の州でしか導入されていないだけでなく、導入州ですら利用者が大幅に少ないそうです。

残念ながら、日本も初期のアプリのトラブルから始まり、システムの運用上の課題から、ちゃんと使われているとは思えません。以下の公式情報からは、先週末でアプリのダウンロード数は3,005万件。一方、陽性登録件数は38,159件。先週末で総感染者数は1,618,989人ですから、感染者の2%強しか陽性登録していません。少なすぎます。アプリ利用者が少ないのはもちろんですが、それ以上に正しく運用されておらず、陽性登録できない状況なのが最大の問題でしょう。
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application

比較的うまくいっているらしい、イングランドとウェールズで導入されているNHS COVID-19は、以下のWebを昨日見た時はアプリケーションのダウンロードは2,785万件ほど。陽性登録は200万件弱。総感染者数はイングランドとウェールズで650万人ほどのようですから、30%は登録していそうです。そして、600万回以上の警告を出し、アプリからテストを手配して190万回近く陽性検出しています。理想的とまではいかないまでも、日米とは比べ物になりません。
NHS COVID-19 app statistics

日本の場合、これからスマホを使ったワクチンパスポートの導入も始まるようです。接触通知、PCR証明、ワクチンパスポート、全てが一つのアプリなのが理想と思いますが、接触通知アプリ(COCOA)は元から残念な出来だったようなので、今更いじるようなものではないでしょうし、運用も駄目なので、もう終わりにする時かもしれません。有志の方々ががんばっていることは知っていますけど。もしくは、COVID-19との付き合いが長期化することを意識して、根本的に違うものにするか。

そのように考えていたら、先週にCOCOAの新バージョンの公開と、来年3月に向けたウェブアクセシビリティ方針が発表されました。
接触確認アプリ ウェブアクセシビリティ方針
アクセシビリティはもちろん大切ですが、COCOAをいじるより、保健所の工数含めたHER-SYSの運用を正常にする方が先でしょう。

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