5回目: 接触確認アプリの日本の状況
前回までは「AppleとGoogleのPrivacy-Preserving Contact Tracingの気になる点」でしたが、タイトル変えました。
さて、日本ではどうするのか、先週に報道が出ました。具体的な内容は、5月8日に開催された政府の第3回 新型コロナウイルス感染症対策 テックチーム Anti-Covid-19 Tech Team 開催にあります。
この中の「接触確認アプリの導入に向けた取組について(案)」で、各国の施策の比較の後、プライバシーや使い勝手等の現実的視点からApple-Google方式を選択しており、妥当な判断と思います。ただ、相変わらずスピード感に欠けることが気になります。4月6日の第1回でアプリの検討を決めておきながら、やっとですから。報道には今月中の実用化を目指す、とありましたが、このペースでは、Appleの審査まで含めると時間がありません。
さて、同日(5月8日)にCode for Japanの報告もあり、よく考えてアプリを開発していることがわかりました。ここまで来たら、開発は彼らに任せるべきでしょうね。
資料からわからなかったのは、同日の出席者に含まれる楽天の役割。上記案でも協力企業の例に入っていますが、ここ数ヶ月の楽天の行動からすると絶対に入って欲しくない。
僕の懸念は、アプリを使っていない人の検知まで政府の誰かの案で欲張ること。すると、Apple-Google方式では取得していない位置情報まで取得することになり、結果としてアプリの使用が広がらず、本アプリが効果しないことになります。
ところで、ここまでの政府のCOVID-19に対する各種IT施策はこの「新型コロナウイルス感染症対策 テックチーム Anti-Covid-19 Tech Team」で生まれていたことを知りました。素晴らしいですが、議事録に書かれているのは国会答弁と似たような原稿を読んでいる、つまり一方的な発表にしか見えず、議論されていない印象を受けました。