【考えてみた】日本の素晴らしい音楽家にもっと活躍してもらうために。
先日、シローさんこと先輩オルタナブロガーの坂本さんが所属するビッグバンドの公演を拝見しました。
基本的にはジャズスクールの生徒さんたちの成果発表公演という位置付けだったようで、やはりみなさん演奏が楽しくて仕方ないというのが伝わってくる、パワフルで素晴らしい演奏でした。
いろんな地位、立場にある人たちが、「音楽」という共通の楽しみのために集まっている。すごく健全です。(笑)
演奏を聴きながら、思うことがあったので少し書かせていただきます。
日本の音楽家の羽振りが良かったのははるか昔のことで、現状、音楽業界はかなり厳しい状況にあると思われます。
売れているのはごく一部のミュージシャン、アイドルだけで、本業だけで普通に食っていけてる音楽家は数少ないとお聞きします。
特にジャズは年々マイナーになっていってる気がします。ううう。
(ただ、根強い熱心なファンが多数存在するのも確かですが。)
もう、ぶっ飛びな演奏を聴かせてくれる新進気鋭の若手ミュージシャンなんて星の数ほどいるのに、如何せん仕事がない。
実にもったいないことです。
わたくしが金沢でトランペットを学んだ師匠も、以前は東京のビッグバンドに所属し、景気も良かったのですが、いわゆる「歌謡曲」が売れなくなり、バックバンドの仕事が激減したことで、故郷に帰ってきた人でした。
時代の流れなんでしょうけど、すごい才能、技術を持っている人が、思うように活躍する、いや「活動」さえできない現状は、音楽ファンとしてとっても悲しいです。
そこで今回の坂本さんのバンドですが、これはジャズスクールの運営。
この形ってちょっといいなと思ったんです。
まずは音楽面から言うと、先生といっしょに演奏することで、レベルが上がる。
今回も何人か先生が混じっていらしたのですが、やはりプロといっしょに演奏するというのは、ものすごく勉強になります。
言葉では表現しにくい、間合いとか息づかい、フィーリングというものを近くで感じることで、生徒さんの演奏も自然とノリが良くなります。
ビジネスの世界でも、「成功者と同じ空気を吸え」なんてことがよく言われますが、同じことですね。
そして商売(運営)の面ですが、こういったスクールが増えれば、講師としてプロミュージシャンの仕事も増えます。
人に教えることが嫌い、もしくは教えるのが苦手な人もいらっしゃますが、講師はいいですよね。「弟子」だとお金の面倒も見ないといけませんが、「生徒」なら逆にお金がもらえますもん。
しかも、自分のライブがある場合、一般に告知するよりも、生徒さんに「よかったら誰か誘って来てね。」というだけで、かなり効率良く集客できるようになるのではないか?(せこい考えでゴメンナサイ)
でも師事している人のライブだったら、普通は聴きに行きますよね。
日本の娯楽シーンというのもずいぶん成熟してきて、大人の余暇についても、「仕事以外の趣味を何か学ぶ」というのは定着しています。
なので逆に「教える」という職業は、これから(もっと細分化されつつ)増えていくのではないか?
一番はじめに書きましたが、職業や年齢、性別を超えて、同じ目的、趣味のために集まる場ってすごく楽しい。
その場を提供できるビジネスが、今後増えていくだろうと思うのです。
SNSの浸透で、そういう「同じ趣味を目指す人」も探しやすくなりましたしね。ITはこういうところでもフル活用しなきゃ。
そうそう。以前いたバンドなんて、超有名企業の重役さんが、他のメンバー(会社ではせいぜい課長さんくらいの人)に、「何やってんだ、ヘタクソ!」って毎回怒られたりしてましたもんね。
でもこれがまた楽しいんです。(見てて本当に微笑ましかった!)釣りバカ日誌のリアル版です。
あとは、、、もっと音楽を身近に感じてもらう機会が増えたらいいなと。
一番簡単なのは、音楽のケータリング(出張演奏)です。
音楽家をパーティやイベントに呼ぶと、一体いくら位かかるのか?
ちょっとわかんない世界ですよね。
もちろんピンキリの世界ではありますが、案外安いギャラでOK出たりします。
特にプロダクションに身を置かずに個人で活動されている方は、時間さえ空いていれば予算に応じつつ気軽に出演してくれることも多いです。
あ、ギャラを値切るのはご法度ですよ。あくまで「予算がこのくらいなのですがもし可能でしたら・・・」というスタンスが必要。形のないものを売っているアーティストにとって、値切られることほど傷つくことはありません。
逆に音楽家の方も、もっとオープンに出演料金を提示して欲しいですね。(=ブログやSNSでもっと積極的に情報発信して欲しい!)
遠慮とか無用だと思うのです。
高い人にはそれでもOKの人からオファーが来るし、安くてもOKの人には、依頼の数が増えるはずです。
そうして少しずつ身近な演奏機会、交流が増えることで、友達のようなファンが生まれてくる。
これって、本気で応援してくれる人たちですからね。
ジャズスクールの生徒さんのように、喜んで勝手に口コミもしてくれるはずです。
以上、頭の中での妄想ですので、どうだかなという部分もあるかと思いますが、日本の音楽界を盛り上げるのに、何かできないかなと考えた場合の、わたくしなりの提言でした。