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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

プロジェクトマネージャはエンジニアと言えるのか?

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受託オンリーで、もう18年くらい開発会社をやっています。

あれ?17年だっけな?10月19日が創立記念日だったはずだから、5日前に満17歳になって、18年目に突入したのかな。

まあいいですが、それくらいやってます。

「ITだけど受託です」

と、生き馬の目を抜く若きIT社長に言うと「受託なんて逃げじゃないすか」とか「資金繰りが大変でしょう」とか「ストック型のビジネスを考えたほうがですよ」とか「何か一つないと人が集まらないでしょ」とか言われます。

自分も「確かにな・・・」と思ったりもするのですが、まあ結局のところ、受託が得意でかつ好きなんですよね。サービスやアプリで人気が出るよりももっとダイレクトに人から頼られたい、役に立ってる感を持ちたいという。。

■意外と盲点なPMというお仕事

それはさておき、今日はPM(プロジェクトマネージャ)という仕事のお話。

弊社では、採用面接をする際に、たいてい応募者に

「あなたは奇特にもこんな飲み屋ばかりの街の場末の開発会社に応募してきてしまったわけですが、将来的にどんな感じでやっていきたいですか?ずっとプログラマを続けていきたいのか、それとも設計をやるシステムエンジニアをやっていきたいのか。うちの場合、システムエンジニアがお客さんとの窓口に立つことになっているので、いろんな提案をしていきたいならシステムエンジニアですけど、ただ純粋にプログラムだけをやっていきたいというのでも全然よくて、現実に40歳でプログラマをやってる人もいます。もう足に根っこが生えてしまったのかその人は10年以上やってます。プログラマがシステムエンジニアより給料が低いとか立場が弱いとかいうことはないです。どうでしょう?さあ、貴殿の場合、どんな感じでしょう??」

と問いただしています。

将来的に変わることはあるにしても、まずは現段階でプログラマかシステムエンジニアのどっちをやりたいかを聞いてますね。

で、先日うちの役員兼CTOと飲みながら採用について話をしていたんですが、彼は昔を思いだしてこんなことを言ってました。

「私はシステムエンジニアをやりたいと思ったっていうより、PMをやりたかったんですよね。SEはまあどこの会社でもできますが、プラムザは入社早々からPMがやらせてもらえると聞いて、それで門を叩いたんです。」

私は意外に思いました。

だってPMというのは、厄介なご要望の多いお客さんの矢面に立たなければならないし、プログラマからからはタイムキーパーとか揶揄されていて、辛く虐げられた仕事のイメージがあるんじゃないかと。

巷ではプロマネなんてエンジニアではない、とさえ言われてます。

■もっとPMを目指す人が増えていい

ただ。

彼のその話を聞いて、私はハタと膝を打ちました。

彼のいうことはとても正しい話です。

PMがエンジニアかどうかはさておき、PMは開発チームの中ではもっとも重要なポジションであることは間違いなく、本当はもっと多くの人が「PMをやってみたい」と思ってくれたらいいと思います。

PMは、言ってみればオーケストラの指揮者的な仕事で、その人なしではどんな優秀なプログラマやシステムエンジニアが集まったところでプロジェクトは炎上必至です。

小学生のころ、オーケストラの演奏を見て、

このおっさん(=指揮者)存在する意味あるの?

と思ってましたが、大人になるに従って、またのだめカンタービレなどを見るにつれ、あのおっさんは絶対に必要であるらしいということが分かってきました。

それと同じように私も現役のプログラマをやっていたころは、「PMなんているの?」と思ってましたが、これは確実に必要でした。

■PMはどんな仕事をしているのだろう?

実際PMはどんなことをやっているのでしょうか?

開発の役割分担も会社によっていろいろですので、これはあくまで弊社の場合ですが、、、

  1. 今回のシステムの要件(やらなければならないこと)把握
  2. 作業スケジュールの策定
  3. 会社の上役と相談してアサインメンバーの決定
  4. 顧客への提示および承認をいただく
  5. メンバー招集&キックオフMTG(大きな案件の場合飲み会もあり)
  6. 各メンバーへBacklogなどで作業指示を出す(システムエンジニアが別にいる場合は、随時作業順序やメンバーへの割り振りを協議しつつ出す)
  7. 随時進捗確認&仕様協議同行
  8. 顧客への進捗報告。うまく行っているときはあるがままに、行ってないときは奥歯に何かを挟んで報告。
  9. テスターを束ねてテスト(テスターの頭数に自分が入っている可能性高し)
  10. リリースのタイミング調整
  11. リリース
  12. 顧客からのフィードバックを受ける(感謝の場合13へ。怒号の場合14へ。)
  13. レポート書いて、会社からポイントをもらって、打ち上げへ
  14. 修正継続指示→6に戻る

とまあ、ざっとこんな感じです。

どうでしょう?

PMという仕事のイメージはつきましたでしょうか?

プログラマはプログラマで、あるいはシステムエンジニアはシステムエンジニアで、面白いですしやりがいもありますが、PMというのもそれに輪をかけて面白くやりがいもあります。

PMは、そのプロジェクトに関わるすべてのメンバー(お客さんと開発メンバー)と、経済的な要素、契約的な要素、技術的な要素をすべて把握できます。

その中で自分でいろいろ工夫をしてみて、失敗しながら成長していく仕事です。お客さんやメンバーや開発内容が毎回違うので、「こうやればOK」みたいなものはないのですが、それだけに自分の工夫がうまくはまったときの喜びや成長は大きいです。

そしてその蓄積は、プログラマやシステムエンジニアに比べると、他の職種でも、管理職としても活かせる可能性が高いと思います。

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最後に、、、

「長々とくだらない文章読んだけど、掲題への回答がなかった。ふざけるな!」というご指摘が必ず来ますので、一言申し上げておきますと

プロジェクトマネージャはそれだけではエンジニアと言えない気がしますが、そんなことはこの際、関係ないジャマイカ。もともと一つのロンリーガール、ということでよろしくお願い致します。

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