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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

名刺を99枚しか持たないという男

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去年のはじめだったか、荒木亨二という男と知り合った。


私は、IT業界に長くいるが、この業界にいる仕事の出来る人間は大きく以下の2パターンだ。

1つは、オーソドックスなエンジニアタイプ。これは一つの難しい命題を与えられると、それを徹底的に切り刻み、分析し、最適解を求めようとするタイプ。理性的でかつ粘着質。執念深い。

もう一つはクリエイタータイプ。いろいろな技術やサービスの特性を広く知り、独創的発想で組み合わせて、新しい世界を創造するタイプ。外向的で新しいもの好き。

去年、彼と出会い、意気投合し、ビジネスについて様々語り合う中で、この2つのタイプの混合のようなタイプがいることを知った。それも中途半端ではなく、高いレベルで混ざっている。


彼が先月末「名刺は99枚しか残さない」という本を出した。



これまでもらった数千枚の名刺を99枚にまで絞り込んで、後は捨ててしまえ(しまい込め)という。

そして、その99枚の名刺(の人物)を徹底的に切り刻んで、分析するのだという。

普通、知り合った人のスペック、ポテンシャルを切り刻んで分析したりしない。ある意味、失礼で残酷な行為だ。

しかし、彼はそれをする。何のためにするかというと、彼らを組み合わせ、新しいビジネスを創造するためという。

分析して、組み合わせて、新しいビジネスを作る。時に名刺の主本人が気づいていない眠っている資産までも掘り起こす。

彼は、自分のことをビジネスコンサルタントと称しているが、オーソドックスなマーケティングの手法は採らないし、会計的アプローチも採らない。

彼がそういうのを知っているのかどうか私は知らない。彼のやり方の特徴は常に物事をゼロベースで切り刻んで、それと自分の持つ素材とを組み合わせて創造するところにある。

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彼に将棋を教えようと思ったら、きっと難しい。

まず、角や飛車が出やすいようにこの「歩」を突くのが普通だよ、と教えても、彼は一切話を聞かず、左端から一つ一つ「歩」を突き上げていくだろう。

それで当然コテンパンに負けるが、「なるほど」と唸って、次局は常人でない進化を見せつける。いつまでも定石を無視したおかしな攻め方を続けるのだろうが、次第に気持ち悪くもものすごく強い指し手に育っていくだろう。

「名刺は99枚しか残さない」もそんな彼の仕事のスタイルがよくわかる本。

彼が彼のビジネス人生の中で、一切の常識に囚われず、独自のルールで編み出した名刺活用術。

名刺をPCやスマホで管理して何が生まれるんだ?

徹底的に活用しなきゃ意味ないだろう!

という主張。

もちろんこの手法が万人に合うかどうかは分からない。

しかし、彼のこの発想はどんな業界、どんな職種についていても本当に大事。

世の中、頭のいい分析家はたくさんいる。しかし、このように新しい創造のために、自ら手法を開発し、バカみたいな深さまで分析している人間がどれだけ居るだろうか。

とりあえず、私は49枚くらい、新しい名刺ケースに移してみよう。

、、、と、私もまた素直には従わない人間であり。

Comment(1)

コメント

朝倉 精一

私は名刺を10枚くらいしか持っていません。
もちろん、仕事がら、人に会うということが少ないので、総数は少ないのですが。

・その人と1年会わなければ捨てる。例えば展示会などでの名刺交換は行事の一種なので、相手に気を使うこともない。

・よく連絡する人は、メールアドレスなどとして登録している。よく見知った相手なので、わざわざ名刺をとっておくこともない。

・名刺をたくさんあつめて、「俺は人脈がひろい」などと妄想を抱かないため。

手元にある名刺は、
・あの人美人だったなと「思いにふける」ため。
・未整理で、対応を決めていないため。

名刺というカードを持っていれば、何もしないでも毎月100万円くらい入ってくるならもっておきますが、たいていの場合は、ただの紙切れ。

名刺交換をしたのにもかかわらず、それを忘れるのは失礼なこと・・・というのも一理ありますが、「ひさしびりなので、新しい名刺をいただけますか」といって切り向けます。

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