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ITビジネスの現場をファシリテーションで元気にしよう!

意見・質問・提案

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皆さま、大変ご無沙汰しております。

昨年はファシリテーションよりもアクションラーニングを中心に活動しておりました。私の仕事の根底に流れているものはファシリテーションですが、自分自身の直感に引っ張られ、アクションラーニングに深く足を踏み入れました。最近その直感の裏付けが見え始めたので、今年はファシリテーションとアクションラーニングの融合を考えながら、皆さまに何か新しい視点を提供し、一緒に考えていけるといいなと思っております。あらためまして、今年もどうぞよろしくお願い致します。

さて唐突ですが、皆さんは意見と質問、受け手に取って何が違うと思いますか?

意見
 -意見を言われると、攻撃、否定、強要、指示を感じる場合がある
 -意見を言われると思考が停止し、依存(人や過去の成功体験など)が発生する場合がある。自分で考えない。次の動きがとれない
 -黙って聞いていても良い。自分がどう思って聞いているか、相手は勝手に解釈する
 -自分の意見をいうと相手とぶつかる場合がある 
質問
 -質問されたら考えなければならない(答えなければならない。だまって聞いているだけではいられない)
 -何を聞かれているかを把握していないと、適切に答えられない
 -自分の中で答えを探しているときに、新たなことに気付く場合がある
 -自分の意見をいってもいい(「意見を言うとぶつかる」に対して)

ファシリテーションのスキルを使って何かをしようと思った時、受け手が感じるこの意見と質問の違いを理解しておくと、自分のポジションを見失いません。ファシリテーターは質問中心のコミュニケーションを行い、基本的に意見は抑えます。
意見に「か?」という疑問符だけを付けた質問もありますが、これはNGです。つまり、質問にも良い質問と悪い質問があるということです。
(「良い質問と悪い質問」については次の機会に。早く知りたいという方は『質問会議』(PHP、清宮普美代著)をお読みください)

もう一つファシリテーターに重要なこととして、提案、があります。この場合の提案とは、その時議論(活動)している問題やテーマについての具体的な提案ではなく、その議論ないし活動の「進め方」に対する提案です。ファシリテーターがプロセスに対して責任を持つ、という所以(ゆえん)ですね。議論の具体的な中身に入り込んでしまってはいけません。その場の議論や活動を俯瞰して、適切な提案や質問を行えることがファシリテーターの重要な役割です。(この「進め方」を小さな道具に分解し、まとめたのが書籍『ファシリテーターの道具箱』です)

なぜこのようなことを改めて書いたかというと、実は私、新年早々大失敗をしてしまったのです。質問・提案でチームをファシリテートしなければいけなかったのに、場が混乱していたため焦ってしまい、長々と議論の中身に対する意見を言ってしまったのです。場の混乱を収拾しようと思ったためですが、そのような場面だからこそ、意見ではなく、質問と提案で進めるべきでした。

「言うは易し、行うは難し」です。

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