チーム脳、バラバラ脳、ひとり脳
皆さん、『チーム脳』って聞いたことがありますか?
チームメンバー全員が、テーブルの上にある1つの大きな脳で、一緒に考えている。そんなイメージです。
これに対して、『バラバラ脳』というのがあります。
これは、ひとり一人が、自分の小さな脳で個別に考えている状態です。
バラバラ脳に似た状態で、こんなのもあります。
あえて言うなら『ひとり脳』でしょうか。
誰か一人の脳に依存して、他の人が何も考えていない(思考停止している)状態です。
それぞれの違いを詳しく書くとこうです。
チーム脳
- 問題はテーブルの真ん中に出ている。(全員で問題の本質を共有し、全員で問題解決にあたる準備ができている)
- 場に意味が流れて通っている=対話(ダイアログ)ができている。例:"品質"、"顧客の満足度"、"良い商品"など、普段当たり前のように使っている言葉の意味を、より深く全員で共有できている状態
- 不必要な遠慮がなく、全員が本音でしゃべっている。
- Win-Win、もしくは新たなWinを生みやすい。
バラバラ脳
- 個々が別々の脳で考えているので、意見と意見の対立になり、Win-Loseの関係が起こりやすい。
- 情報共有重視で、感情面の共感が起こりにくい。
ひとり脳
- 能力の高いリーダーによってチームが成り立っている場合や、コンサルタントに引っ張られているプロジェクトなどで良く見られる。
- この一人がいなくなれば、チームはほとんど機能しなくなる。
- ひとり脳を発揮している優秀なリーダーもこの状況が心地よく、また思考停止しているメンバーも、この状況に何の疑問も持っていなかったりするので意外と厄介である。この状況に疑問を持っているリーダーやメンバーもいるが、なぜこうなっているか、何が問題でどうしたらいいか、わからないケースが多い。
まあ、上記の説明はちょっと極端に書いていますが、概ね近いものがあるでしょう。
さて、皆さんの組織の会議はどのタイプですか?
「うちの組織はほとんどが『**脳』だ」
「私のチームは『**脳』だけど、隣のチームは『**脳』みたい」
「時と場合によるんじゃない?」
など、いろいろなケースがあると思いますが、重要なのは、
必要であれば、すぐチーム脳を醸成することができるチームである
ことです。
前回の投稿(「リーダーシップ4領域行動モデルで見る、これからのリーダーとチームの在り方」)に照らし合わせて言うと、バラバラ脳やひとり脳は、目標達成型リーダー、戦略実行型リーダーの元で発生しやすく、チーム脳は、価値創造型リーダーやチーム育成型リーダーの元で発生しやすいです。
もちろん、目標達成型リーダー、戦略実行型リーダーの元でも、偶然、チーム脳が発生することはありますし、価値創造型リーダーやチーム育成型リーダーの元でも、時にはバラバラ脳やひとり脳になってしまうことはあるでしょう。大事な事は「どうなることを目的としてチーム活動をしているか」です。
「わかっちゃいるけど、どうやればチーム脳になるの??」
それはリーダーのファシリテーション力次第です。実はとてもシンプルな方法があります。それは『フォローアップ質問』というスキルとマインドです。
次回で詳細をご紹介します。今回はここまでで失礼します。
※『チーム脳』は(株)ラーニングデザインセンターの登録商標です。
6月8日(金)PMI日本支部主催「ファシリテーション型リーダーシップ基礎セミナー」(PMPのためのPDU受講対象セミナー)※残席僅か