我々の何がAIに置き換わってしまうのか2
アメリカ合衆国はアリゾナ州のフェニックスという街に行ってきました。
半導体の専門展に参加するためです。
アリゾナ州、特にフェニックスを中心とした「シリコンデザート」と呼ばれる地域では、多くの半導体開発製造に携わる企業が集まり、30兆円ほどの経済効果を生み出しているとのこと。アリゾナ州知事もこの展示会に参加し、さらなる誘致を呼び掛けていました。
これに負けじと隣州のテキサス(正確にはニューメキシコ州の隣)、コロラド州も展示会場に出展し、自州への誘致アピールを行っています。
まさに、事業誘致戦争の様相を呈しています。
さてお仕事的には新規のお客様に百社以上お会いすることができるなど充実した滞在となったわけですが、AIが置き換えてしまいそうな我々の何かについて少しふれておこうと思います。
既にテレビ新聞雑誌SNSなどで大きく話題にされていますが、AI自動運転サービスWaymoを、私も体験してきました。
そう、サンフランシスコでの早期導入は皆さんご存じですが、アリゾナ州フェニックスでそれがガンガン街を駆け抜けていることは、日本ではまだあまり知られていない模様。
せっかくだからとこの度都合5回体験をしてまいりました。
初回は現地の同僚、オーランドブルームに似た若手にお願いして配車。
予約で混んでいたのか20分ほど待って乗車。
無人の車がホテルの車寄せにピタッと寄せるさまだけでももう未來。軽く興奮をした一行は、ドアを開けて乗り込みます。なにもかも初めてだった私は迷わず助手席へ。
全員が乗り込み、タッチパネルの「スタート」を推すと、ぬるっと車が走り出します。
ちなみに車種はジャガーの小型EVのなにか(I-PACEだそうです)。
ジャガーとはいえ小型種。そろりそろーりの「猫足」というよりは「鼠足」?いや、変な意味じゃなくて、きびきびとよく走ります。
で、運転の方は、すごく面白くて、まるでUberの運転手さんのよう。
てっきり安全マージンをものすごくとった、ゆっくり、ややもするとイライラするほどかと思っていたら、さにあらず。
きびきびと右折、左折、アクセルやブレーキングもまるで人間です。はっきり言って快適です。
同乗した同僚の女性は、「たまに夜一人でタクシーとかウーバーとかに乗ると、運転手さんと二人きりになって気まずかったり、ちょっと不安になるのよね。無人の方が安心感あるわ。」と。
*翌日、この同僚がウーバーで移動した際、なぜか道中ずーっと運転手さんが話しかけていて、(仕事ができず)かなり煩わしかったからやっぱり無人がいいわ!と言っておりました。
ところで一度ウーバーに乗車した際、運転手さんにたまらず不躾に聞いてみました「Waymoについてどう思う?ライバル視してるとか?」
すると運転手さんは
「いやいやライバルというのは違う感覚かな。ちょっと複雑だけど、とても面白いし、興味深い。この街の発展に貢献していると思うから、いいと思う。僕が将来にわたってこの仕事も続けられるかは別の話だけど。」
と大人の回答。
さて、快適な乗車を愉しんだ後、私も使えるようになりたい、と、iPhoneのiOSをアップデート(17.1以上である必要あり)して、アプリをダウンロードして、設定完了。
自分で配車をする過程で利用方法をさらに習得していきます。
数回体験を重ねるうちに、もはやこれが当たり前な感じがしてきて、ふと我に返って
便利だけど人が介在しなさ過ぎてディストピア的な、ちょっとした怖さを覚えたりします。
そんな中、礼賛づくしのWaymo(無人自動車移動サービス)ではありましたが、ネガな意見もなくはない。
- 結局タクシーなどのサービス業の就労機会を人から奪っている。
- 乗る人のマナーが悪いとゴミが残されたままになっている(私は一度、未開封のペットボトルが残されておりました)ことがある。
- 待機しているWaymo車両にさっさと乗り込まない利用者が稀にいて、後続の渋滞を引き起こす。ちなみにWaymoの待機は5分まで。
ところで私、早朝のフライトで移動することが時々あって、
今回も朝4時過ぎにホテルを出なければなりませんでした。
人が少ない時間。果たしてUberの稼働を100%確信を持てない中、
Waymoで空港まで移動したのは言うまでもありません。
人と機械と、上手に共存していきたい。
そんな感想を強く持つ旅でした。
傍白
料金は、時間帯、需給で大きく異なります。同じルートで12ドルの時と、30ドルの時がありました。3倍近くの差って、なかなかです。さすがに30ドルが表示された際は、キャンセルボタンを押しました。