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もしも洞察力があったなら……。

メタンハイドレートの可能性再び。資源ナショナリズムってなんだ?

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先週の話。ワールドビジネスサテライトで報じられていたのは、一極集中の石油資源支配のリスクに関するものでした。複数の国々から資源を調達、つまり調達元を分散することによる資源国による経済産業支配リスクを低減するというものです。

調達元の分散とは、石油に関して言えば、UAEなどアラブ諸国を中心に石油などの資源調達元の一極集中を避け、これらをインドネシアなど東南アジア、あるいはロシアをはじめとした大陸からの調達を加えることで、万が一の有事にも国家機能が継続できるようにしておくというもの。

そして、さらに、海外資源依存度を低減する次のイノベーションが、日本独自の代替エネルギープロジェクト。これに関して、可能性のひとつとして、メタンハイドレートにより日本が資源国になるかもしれないと言う可能性を書きました。

で、やはり、どうやら、日本は本気でこのメタンハイドレートの主力燃料化を検討している模様。

当面、2012年までに具体的な発掘手法を開発、実験を継続、そして、2018年を目処に商業化を計画しているとか。

日経エコロミー記事

経済産業省は19日、次世代エネルギーとして期待されるメタンハイドレートを巡る「開発実施検討会」を開いた。2012年度に日本近海での海洋産出 試験に初めて乗り出し、18年度以降の商業化をめざすことを確認した。海洋試験では周辺の環境に与える影響についても調査する。

 メタンハイドレートは天然ガスの成分にあたるメタンが低温・高圧の状態で、水の分子にシャーベットのようにとじ込められている。原油価格が高止まりするなかで石油製品の代替燃料として注目されており、この先の開発計画をまとめた。

実現したら、すごい。

さて、WBSニュースの中で、資源ナショナリズムが取り上げられていました。

資源ナショナリズムとは、
自国に存在する資源を自国で管理・開発しようという動き。資源の所有権を強く意識する考えが、民族・国土を重視するナショナリズムに例えられている。(Wikipediaより)

1962年、国際連合で宣言された「天然資源に対する恒久主権の権利」をさすそうです。
それは、

  • 天然資源が保有国に属し,資源保有国の国民的発展と福祉のために用いられるべきこと
  • 資源開発に従事する外国資本の活動について,資源保有国が種々の条件・規制を課すことができること
  • 資源開発により得られた利益は,投資側と受入国側との協定に従って配分されねばならないこと

結局このナショナリズムを有効に築くためには、その資源産出が日本国内のみならず、世界への供給にも貢献することが、必須であると理解しました。現在の見積もりでは、「日本国内で100年分のメタンハイドレートが埋まっている」という資産に過ぎません。つまり、「日本独自」エネルギー資源として活用するならともかく、世界への貢献をし、真の資源大国(資源ナショナリズムの確立)になりうるかどうかは別の話ですね。

勉強になるなー。

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