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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

ダメなパターンに陥っていませんか?貴社の会社説明会

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新卒採用をする際、ほとんどの企業が会社説明会を実施しています。
この会社説明会、学生に自社への理解を深めてもらえる良い機会ですが、反面、ちょっとやり方を間違えると学生の印象が悪くなるといった危険な側面も持ち合わせています。

「人事担当者が会社の概略を説明して、先輩社員の話で仕事を理解させて、最後に社長の私が話して締める、完璧な説明会をやっている」と語る社長もいらっしゃいますが、そういう会社に限って学生が会社説明会後の選考ステップまであまり進まずに苦労されていたりします。

新卒の会社説明会は簡単なようで意外と難しいのです。
今回は会社説明会で注意すべき点とは何か?について考えていきたいと思います。

●盛り上がったと思っているのは勘違い?

うまくいっていない会社説明会に共通しているのは企業側と学生側に温度差があるということです。
この温度差に気が付かない企業が結構多いのです。

「今回の会社説明会はすごく盛り上がったよ」といった社長にその理由を尋ねたところ、答えは「学生を前についつい話に力が入ってしまい、10分のところ30分も話してしまった。でも、学生たちは私の熱い話に聞き入っていたよ」でした。

正直に言って、それは自己満足以外のなにものでもありません。
多分、社長の話なので、学生もおとなしく聞くしかなかったのでしょう。

就職活動のピークは1日に数社の会社説明会に出席するのが普通です。
社長の話が長くなったせいで、元々の終了時間に終わらず、次の会社説明会に間に合わなかったとなると会社説明会は盛り上がったどころか会社のイメージは最悪になります。
会社説明会の印象が会社のイメージにつながってしまうのです。
時間を守るのは社会人の常識であり、それは学生向けの会社説明会でも同じであることは言うまでもありません。

●若手社員を登場させればいいというものではない

よく会社説明会で若手社員に話をさせる企業があります。
それは会社説明会での一つの手法ですので、悪い事ではありません。
ただ、その若手社員がきちんと話ができて、採用担当者がしっかりフォローできていればいいのですが、そうでない場合は、かえってマイナス要因となることもあります。

例えば、ナビサイトや自社のホームページなどで若手社員を登場させて、自社に興味を抱かせて会社説明会への動員を図った場合などは、学生は会社説明会では更に一歩突っ込んだ話を若手社員から聞きたいと思っています。
その場合、若手社員では上記以上に仕事の深みのある話や会社の話などができず、結果、学生からは不満の声が出たりします。

こうしたケースの場合、会社説明会時に登場するのはあえて入社10年選手くらいの方が学生の知りたいことに確実かつ臨機応変に対応できたりするものです。

また会社説明会での会社説明がホームページや入社案内に掲載しているものと同じ内容であったり、説明する人が機械的に話を進行したりしていると学生は興味をなくしてしまいます。

そうした進行の説明会を行っている採用担当者に限って「最近の学生は元気がないですね。会社説明会で質問ありませんか?と投げかけているのにほとんど質問が出ないんです」といったことを口にします。
それは元気がないからではなくて、説明がつまらなくて学生が質問する気にならないのです。

会社説明会は学生に向けての自社のプレゼンテーションです。
プレゼンの得手不得手はあると思いますが、テンポ良く進行する最低限のプレゼンができるように練習を繰り返すことが、採用担当者としての役目であり、学生に対する礼儀だと思います。

●相互理解を深めることが会社説明会の目的

学生に対する礼儀だと思いますと前述しましたが、それは学生に対して迎合的になるということではありません。

会社説明会は「自社のことを知って欲しい」企業と「会社のことを知りたい」学生との相互理解を深め、次のステップ(試験、選考)へとつなげていく場なのです。
まずは自社が伝えたいと思っていることが学生に的確に伝わっているかが大事になります。

そこで今一度「自社が一番伝えたいことは何か」「それをどう伝えるとわかりやすいか」について考えてみることをお勧めします。

多くの企業がそこをきちんと整理し切らないまま、型通りの会社説明会を行っていることが多いと思います。
いい機会ですので、学生に伝えるべき自社の魅力は何かを全社員で考えてみるのもいいかもしれません。

また選考に進んだ学生全員にヒアリングしたりすることで、自分たちが伝えようと思ったことが、学生に的確に伝わっているか、伝えたいと思ったことが、学生の知りたいことにちゃんと応えているかなどを徹底的に分析するのも一つの手法です。
その検証に沿った形で会社説明会のプログラムを構成し、常にブラッシュアップしていくことが、会社説明会を成功させるための第一歩なのです。

私も双方の相互理解をより深められる会社説明会の手法について考え続けたいと思います。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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