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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

人材コンサルタントに求められる素養について

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中途採用などでエージェントを利用する企業も多いのではないでしょうか。
エージェントでは企業と求職者をつなげる役を担う人を人材コンサルタントと呼ぶところが多いように思います。
ただ厳密に棲み分けをすれば、企業サイドを担当する人は採用コンサルタント、求職者サイドを担当している人は人材コンサルタントと呼ぶべきなんだろうと思います。

最近では人材コンサルタントをキャリアコンサルタントと呼ぶところも出てきました。
その他にナビなどの採用媒体等を営業する人も採用コンサルタントと名乗ったりしています。
今回は僭越ながら、そうした『コンサルタント』と呼ばれる、名乗る人に求められる素養について考えてみたいと思います。

●相手のニーズを的確に把握し、的確に伝える

例えば、キャリアコンサルタントが大手の広告代理店に転職したいという求職者の相談を受けたとします。
それをできるだけ実現させるためにキャリアコンサルタントは、求職者のこれまでのキャリアや本人の性格などを細かく確認していきます。
転職者の要望だけを考えれば、ただ単に大手の広告代理店に紹介すればそれで済みますし、結果、それで大手代理店に就職が決まれば、キャリアコンサルタント及びそのエージェントの実績になる訳です。

しかし、これまでのキャリアや本人の性格などを考慮すると大手の広告代理店への転職は難しい、もっと小規模な広告代理店の方が活躍出来そうだし、その方が本人にとっても良いのでは?と感じたとします。
そのときにそのことをきちんと求職者に伝えることができるのが、本当の意味でのキャリアコンサルタントではないでしょうか。
しかし、実際にはなかなかそうはなっていないように思います。

そうしたことはナビなどの採用媒体等の営業にも多くみられます。
例えば、新卒向け会社説明会に関する営業をする際「会社説明会には若手社員にも参加してもらいましょう」とほとんどの営業が提案するんだろうと思いますが、事情によって、どうしても会社説明会に若手社員を呼ぶことが出来ない会社もある訳です。
にも関わらず、ただ単に「なんで会社説明会に若手社員を呼べないんですか?それじゃあ、学生が逃げてしまいますよ」という言葉を繰り返す営業が多いように感じています。

●提案ができない営業が増えている

会社説明会に若手社員が呼べないという企業に対して、「なんで会社説明会に若手社員を呼べないんですか?」を繰り返す営業マンは自分が使っている言葉の中の大切な部分に気付いていないと思います。
それはもちろん『なんで』です。
なぜ若手社員を呼べないのか、その原因を突き止め、どうすれば若手社員を呼べるように出来るのか、どうしても呼べないのであれば、別の対策を提案するのがコンサルタントなのです。
しかしながら最近は提案ができない、それも本来、一番重要な『課題解決のための提案』ができない営業が増えているように思います。
良く聞く話ですが、決裁の時期が近づくと急に訪問を重ね出し、見積りを出して、お客さまのおっしゃる金額に値引きをして、あとはクロージングするだけ、というような営業がたくさんいるように思います。
どの商材でも商品力がそれなりに強ければ、幸か不幸かそういうスタイルでも通用してしまう部分がありますし、また会社の方針で直近の売上を伸ばしていくためにまずは社数を稼ぐことが必要というプレッシャーも背景にあるのかもしれません。
しかし、そういうアプローチばかりを続けているとお客様のことを深く知るチャンスがありません。
お客さまのことがわからなければ、課題や問題点が見えるはずもなく、当然のことながら、課題解決のための詳細な提案などできるはずがないのです。

●お客さまの要望も変わってきている

私がリクルートに入社した30年前、ネットなどが無かったこともあり、媒体の値段が大変高く、以前にも述べさせていただきましたが、一媒体で外車が1台買えるぐらいの商品がザラにありました。(苦笑)
にも関わらず、お客さまから注文をいただけていたのはただ単に媒体を売るだけでなく、採用に関わる様々な問題点を解決するための提案もするからでした。
採用成功のために時にはお客さまと真剣に喧嘩をするぐらいの提案もさせていただき、結果、採用成功に至ったという経験を数多くさせてもらっていました。

しかし、各社の採用ノウハウなどはネット等で調べればある程度わかりますので、企業からしますとナビなどの母集団形成のためのツールはできるだけ安い価格で掲載したいと考えて値引きを望み、営業も可能な限りそれに応えるといった流れになってきているのかもしれません。
こうした環境下ではコンサルティング能力は養われず、名ばかりのコンサルタントが増えてきているのもある意味仕方がないのかもしれません。

しかし、世の中にはまだまだ中小企業を中心に採用の悩みや問題点を抱えた企業はたくさんあります。
そうした企業は課題解決をしてくれる『コンサルタント』を探しているように思います。
だからこそ、私の出番があるのだと思っています。
その意味ではわたくし的には大変ありがたいことなのかもしれません。(笑)

ので、私はこれからもお客さまのご期待に応えるべく、お客さまの状況や問題点をしっかりと把握して『課題解決のための提案』をし、お客さまを採用成功に導き続けていきたいと思っています。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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