新卒採用におけるWebセミナーのメリット、デメリット
新卒採用でWebセミナーを活用する企業が増えてきました。
就職ナビ会社も様々なWebセミナー関連商品を持っているので、既にご存知、ご利用の方もいると思いますが、新卒採用におけるWebセミナーは会社説明会のWebバージョンのことを指します。
会場を設営して学生に来てもらう必要がなく、とても便利でメリットが多いのではないかと思うTOPや採用担当者もいると思いますが、実際にはそんな単純な話ではありません。
今回は新卒採用におけるWebセミナーについて考えてみたいと思います。
●そもそもWebセミナーとは?
Webセミナーとはインターネットを利用してWeb上で行うセミナーや講演会、研修のことを意味します。
オンラインセミナーやウェビナー(「Web」と「Seminar」を足した言葉)、eラーニングとも呼ばれています。
会場で実施されるセミナーは当然のことながら、参加者が直接会場へ足を運ぶ必要がありますが、場所の制約を受けないWebセミナーは広いエリアに向けて、同時に情報を発信することが出来ます。
ので、WebセミナーはWebマーケティングの一環として、通信販売や語学の講習会など様々な分野で取り入れられ、活用されています。
そのWebセミナーを新卒採用でも活用する動きが活発になってきています。
つまり、会社説明会をWeb上で開催するわけです。
従来の会社説明会は(外部での実施の場合)会場を借りたり、会場設営や参加者に配布する資料の準備、当日の受付や参加者への場所等の詳細案内などが必要ですが、Webセミナーではそうした労力や費用がかからないので、大手企業を中心に新卒採用活動にとり入れる企業が増えています。
という話をすると「それはいい、是非とり入れよう」と飛びつこうとする中小企業のTOPもいますが、実際に導入するのはそんなに簡単ではありません。
簡単に導入できて、効果があれば、今頃すべての企業の会社説明会がWebセミナーになっているはずです。(笑)
●メリットもあるが、当然デメリットもある
どんな物事でも必ずメリットとデメリットがあります。
確かにWeb上であれば、会場費などはかかりませんし、参加する学生が自身で負担する交通費などもかかりません。
また、録画した会社説明会の動画は何度でも使い回しができるので、大手企業以外では
・会社説明会を開催するマンパワーが不足している企業
・会社説明会を複数回開催しないとなかなか人数が集まらない企業
・東京などの大都市に本社があり、地方学生を採用している企業もしくは採用を検討している企業
(地方で会社説明会を実施する必要が出てくるため)
などの企業に向いていると思います。
しかし、いざWebセミナーを導入するとなるとまずは会社説明会の動画を作成しなければなりません。
仮に自社で撮影スタッフを手配して、動画を制作すれば、当然、撮影費用がかかります。
また、動画を自社の採用ホームページ上やYouTubeにアップしてもアップしたことを広く広報しなければ、視聴する学生が集まりません。
更に動画は基本的に一方通行による情報提供となりますので、従来の会社説明会よりも話す人のプレゼン力が一層重要になります。
学生が飽きないような進行をしないと途中で視聴をストップしてしまいます。
ビデオコンテンツで配信するオンデマンド配信ではなく、リアルタイムに配信するライブ配信であれば、チャットなどの機能で参加者とのコミュニケーションも可能ですが、次々と書き込まれる意見に一人で応えるのは容易なことではなく、その場を仕切る司会者的存在も必要となります。
そうしたことを諸々考え合わすと中小企業の場合、今はまだ就職ナビ会社のWebセミナー等を利用することが無難だと思います。
●就職ナビ会社のWebセミナーもそれなりの費用がかかる
就職ナビ会社のWebセミナーであれば、ナビ画面でWebセミナーの告知ができますし、Webセミナー視聴者を自社の応募サイトへと導く動線や仕組みもしっかりしていますので、効率的な採用活動ができる可能性が高くなります。
しかし、当然のことですがそれなりの費用がかかります。
大手のIT、通信関連企業などの中には自社で動画を制作して、YouTubeなどで公開してといった企業もありますが、それは動画を広めるWebマーケティングのノウハウを持っているから出来る訳です。
ので、Webマーケティング等のノウハウを持たない企業が下手に真似をすると却って散々な結果を招くことにもなりかねません。
説明会会場の費用や配布ツールの制作・印刷費などの費用がかからない、遠方にいる学生が交通費を気にすることなく説明会に参加できるといったメリットとWebセミナーにかかる費用を自社内でしっかりと比較検討し、結果、Webセミナーが効果的だという判断であれば、どういうカタチで導入するのが一番良いのかをしっかりと議論した上で、自社に合ったWebセミナーを開催していくことをお勧めします。
以上、何かのご参考になれば幸いです。