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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

2018採用方針を立てる際に着目すべきこと

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8月も終盤となり、2017採用の目途が立ち、採用担当の方はホッと一息といったところでしょうか。
しかしそれも束の間で、すぐに2018採用の採用方針を考える時期がやってきました。

「今年上手くいったから今年と同じで」というのは少々安易な考え方だと思います。
確かに自社が求める人物像は毎年そう大きく変わらないと思いますが、新卒採用を取り巻く環境や学生の気質(ex.さとり世代、ミレニアル世代・・・)などは時の流れとともにだいぶ変わっています。

そうした中で2018採用方針を立てる際に着目すべきことは何かについてお話したいと思います。

●今一度、自社の求める人物像などについて全社で考えてみる

採用方針を立てる際に多くの企業がまず前年の採用活動の振り返りから入ると思います。
学生のエントリー数、会社説明会動員数、面接受験者数、内定歩留率といった数値データを見直すのは大事ですし、意味のあることです。
しかし、数字では読み取れない情報もあります。例えば、説明会や面接で学生が感じたことや抱いたイメージなども重要な要素になります。
すなわち定量情報だけでなく、数値化できない定性情報の見直しも大切なのです。

そのための方法の一つとしては17内定者からのヒアリングがあります。
自社の採用ホームページや就職サイトなどを見て感じたことや面接官の印象など、内定者の本音を上手く聞き出せれば新たな発見があるはずです。
自分たちが自社の魅力だと考えていた点と学生が魅力に感じた点が実は違っていたということも多々あります。

「毎年、しっかりと採用方針を立てて採用活動を行っているのに自社の求める人物像に合致した学生がなかなか採用できない」と
いった声を聞くことがあります。
原因を調べていきますと自社が欲しいと思っている学生に響く魅力とは異なった自社の魅力を一生懸命学生に伝えていたといった
ケースが結構あります。

内定者の声を聞くと同時に「自社の魅力は何か」「自社の魅力を感じ取るのはどういう人材なのか」などを今一度、全社で見直してみるのも良いのではないでしょうか。

●インターンシップを上手に活用する

「今からインターンシップをやると言っても大手企業などは既に夏休みにインターンシップを盛んに実施しているから、既に遅れをとっているのでは」と言う人がいます。

確かに今はインターンシップが盛んで大学3年生の夏休みに多くの学生がインターンシップに参加します。でも、インターンシップは夏だけではありません。
採用サイト運営会社では秋や年明けのインターンシップ特集などを設けており、掲載が無料になるといったケースもあります。
そうしたものをうまく活用するのも採用戦略の一つです。

また「インターンシップを実施したけど採用には結びつかなかった」という声も聞きます。
本来、インターンシップはあくまで職業体験で採用活動ではないというのが基本ですので、アメリカなどでは数週間〜1ヶ月といった期間行うのが当たり前です。

しかし日本では企業側、学生側双方の事情もあり、1日から1週間程度の短期間が主流になっています。1日のインターンシップでは午前中に会社の説明を聞いて、午後にほんの1〜2時間だけ仕事体験をするといった感じで、これでは会社説明会と変わらないのが現状です。

そんな短時間で学生に自社に興味を持てというのは無理な話です。
大切なのはインターンシップ後のフォローです。
3日間のインターンシップで現場でお世話になった社員の人と意気投合して、その後もお酒を飲みに行ったりしていろいろな話を聞くうちにその会社に興味を持って入社を決めたという学生もたくさんいます。

インターンシップ成功のポイントは現場の社員と人事が一体となってインターンシップに参加した学生をインターンシップ終了後もフォローしていくことが重要なのです。

インターンシップそのものは大成功だったものの、その年にすぐに採用というカタチで結果が出ない場合も多々ありますが、参加学生は貴社に対していい印象を持ってくれた訳ですので、自社のイメージは少しづつではありますが、着実にアップしていきます。

そういったイメージアップが後輩に語り継がれ、翌年、翌々年の学生へと繋がっていくのです。
新卒採用は永続的なテーマですので、例えば、インターンシップを活用した採用ブランディングの醸成も重要です。

●SNSなどのツールは使い方が大事

最近はFacebookやツイッターといったSNSを採用に活用する企業も増えてきています。
確かに便利なツールですが、ただ便利そうだからといって何も考えずに使っても意味がありません。
当然のことながら、こういったツールは採用担当者の負担が更に増えることになります。
自社にとってSNSを使うことで何かプラスになるのか、使う場合、何をどのように使うのが良いのかなどをまずはしっかりと考え抜くことをお勧めします。

また最近は選考中の学生や内定者との連絡をLINEで行うという企業もあります。とても便利なツールですが、学生の気質などを理解していないと意識のすれ違いが起こることがあります。

ある企業の社長と話をしているときに「今年の選考中の学生だったんだけど、面接の不参加の連絡をLINEでしてきたよ。しかもペコペコ謝るスタンプで。私たちの時代なら信じられないことだよ」と言われたことがあります。

社員であれば後日注意するなど教育していけばいいことですが、学生相手ではそうもいきません。

採用活動は会社説明会や面接など直接会うことが基本ですし、ビジネスでも重要な話は会って直接話をすることが基本中の基本です。
「取り急ぎ、お電話で失礼いたします」というのは、後日必ず伺いますという意味が含まれていると言います。

しかし、学生は元々上記みたいなことは知りませんし、あまりにも日々普通にLINEを使っているため、会話のすべてがLINE上だけで完結するものと思っている学生は結構多いと思います。
またそもそもLINEはメールのような長い文章のやりとりをするツールではありませんので、一言で気持ちが表現できるスタンプをなんの迷いもなく多用する訳です。

確かにSNSなどのツールは便利ですが、ツールの特性や学生の気質などを理解して使いませんと学生の評価を見誤ってしまうこともありますので注意が必要です。

2018採用方針を立てる際に自社の置かれた状況や今の採用環境、今どきの学生の気質などを見直してみると今まで思いつかなった新たな戦略が見えてくるかもしれません。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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