この20年くらいのビジネスとITの関係をまとめてみた(Publickey で紹介してくれたアレです)
出張先で、メインの PC を持っていかなかったため、このブログのパスワードを忘れ、本来投稿すべき、こちらに投稿せずに、本業ブログに投稿したところ、思った以上に反響のあった資料について、やっとこちらに書かせていただきます。
「ITとビジネスの可能性」と銘打ったブログのくせに、こちらに書かず、まず、すみませんでした。
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そして、個人的に非常にうれしいことがありました。なんと Publickey でとりあげていただけたのです!
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それでは、下記にビジネスとITの関係を示した資料を埋め込ませていただきます。こちらは、Publickey でご紹介いただいた内容を皮切りに、ソフトウェア開発のやり方と開発環境について今のトレンドへとつながるように表現をさせていただいたつもりです。したがって、この資料では、ALM (ALM も2つの進化がある)、そして DevOps について触れています(DevOps のところの図は、私が所属するマイクロソフトの今の開発を示すイメージ図です。私が作ったものではありません。この図は重要かつ分かりやすいのでぜひ覚えておいてください)。
この部分は、ITシステムの運用でストーリーを書くこともできますし、OSなどのプラットフォームや、.NET や HTML5 などの開発技術で書くこともできます(誰か書きませんか?)。
※アニメーション付きでご覧になりたい方は、こちら にアクセスしてください(なぜか埋め込みがうまくいかず)。資料画面内をクリック(タップ)しながらご覧ください。docs.com に格納していますので、PowerPoint のアニメーションも動作します。また、右上のアイコンをクリックすることで全画面でご覧をいただくことができます。
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さて、こちらでは、この資料を描いた背景から書いていきたいと思います。
私は、仕事柄、ソフトウェア開発に関する開発プロセスや開発環境についてのエバンジェリズム活動をしています(以前、このブログが、Software Engineering Platform Blog だったことを覚えている方は、いらっしゃるでしょうか?)。
最初の会社こそ日本の大手情報通信の会社でソフトウェア開発をしていましたが、その後は、外資系で開発プロセスと開発環境のコンサルティングや欧米のノウハウの日本への持ち込みをしていました。
欧米の考え方は非常にロジカルでもあるのですが、実践的です。その時々で必要とされる技術やトレンドを今までの経緯はおいておいてスカッと導入したりすることも多くあります。そして、なんだかんだで本質をとらえていること、その本質に対していかなる手段も投じることができることを、外資系企業所属10数年のキャリアで感じてきました。
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そして日本のソフトウェア開発はというと、良くも悪くも、10数年、あまりやり方に変化がないように感じています。もちろん、まったく変化がないわけではありません。ただ、時代が変わってきている部分もあるのに、変える議論や努力がなかなか報われない事態も多く目の当たりにしてきたので、何か業界に貢献できないか・・・と考える日々が続きました。
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仕事柄、いろいろなところでお話しをさせていただく機会も多いので、はじめは口頭で、お話ししながら、反応やフィードバックをいただき、徐々に資料の中にもメッセージを盛り込み、直感的にわかるようにと、イメージ図を試行し・・・いろいろとやってきました。
そのあたりは、このブログでも原型となるイメージ図を共有したりしています。また初のアジャイル同人誌 Ultimate Agile Stories Iteration 1 に寄稿をさせていただく機会もあり、そこでもビジネスとITの関係について図示して言及してみました。
これを今の形で、表現し始め、公開イベントでは、今年9月の XDev 2011 でのセッションで重要なメッセージの一つとして取り入れました。公のイベント以外では、個別のお客様先での講演では、7月くらいから使っています。
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もちろん、この資料は、10年単位で、かなり極端に表現しています。Publickey 新野さんが、「基本的に一致していると感じる」と言ってくださっているのでほっとしているところでもあります(笑)。
私は、できるだけ、わかりやすく、イメージしやすくするように心がけています。したがって細部は大雑把となります。ただ、大雑把にしてでも、直感で、受け手のココロで受け取ってもらい、次の行動に移っていただけるよう心掛けているつもりなのです。エバンジェリストという仕事をしているので、「伝える」だけでは合格点ではないと思っています。「伝える」だけは、自己満足の域を出ません。「伝えて、行動してもらう」までいかないとエバンジェリストである意味がないと思っています。
そして、私は、資料に文字をあまり入れません。それは、字を追ってしまうプレゼンテーションにしないといった基本セオリーに則ったものではなく、「受けて次第」で感じてほしいからです。私がしゃべったことだけでなく、イメージで感じるものもあるはずです。メッセージとイメージで気づきがあるかもしれません。ただ、私はそこまで参加オーディエンス一人ひとりの状況まで読めませんので、そこまでケアが行き届くことをある意味放棄しています。その代り、その「場」に来てくださった参加オーディエンスの方を信頼し、おひとり、おひとりの判断、受け取り方にゆだねることにしています。
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話しは、逸れましたが、この資料も、そのまま受け取るだけではなく、感じて、疑って、周りの人と議論してほしいと思います。
少なくとも、作った本人は、そのつもりで作っています。
私は、現場の解は、現場にしかないと言い続けています(セッション冒頭でいきなりそう言い切ることもあります)。現場にしかない本当の解を私が一方的に決めつけたくはありません。ただ、お役には立ちたいのです。
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最後に、ぜいぜひフィードバックを頂きたいと思っています。「その通り」、「まったくの誤り」などの内容のフィードバックもほしいですし、「チームでの議論につながった」とか「当たり前のことを整理するきっかけになった」などどんなことでも結構ですので、フィードバックを Facebook のコメントや Twitter (Twitter ID: @tomohn) にいただければ幸いです。メールは、tomohn @ microsoft.com へください(@ の前後のスペースは削除してください)。
また、資料にあるような話で構わないようでしたら、喜んでお話しに参ります。ソフトウェア開発の話しであれば、私の所属のソリューションで具体的にもご覧をいただけますので、ご要望に応じてそれも行えますし(笑)。
すべてのご要望にお応えことはできないかもしれませんが、まずはお気軽にコンタクトしてください。面識あるなしなど私はまったく気にしませんし、時候の挨拶なども一切不要です。
長沢智治