【ぽんち絵 & 事例で知る】・野球で体感する微分積分 ~変化球はなぜ打ちにくいか?~
【ぽんち絵 & 事例で知る】・野球で体感する微分積分 ~変化球はなぜ打ちにくいか?~
では、図を示したいと思います。
前回の続きです。
縦に割れるカーブを投げるピッチャーの代表といえば、
元・読売ジャイアンツの桑田投手ですね。
現役では、西武ライオンズの岸投手です。
図1をご覧ください。
ピッチャーとバッターを横から見た図です。
まず、(a)の場合です。
ストレートなら、ピッチャーが投げた直後の
軌道から予測した接線と
その後の球の軌道がほぼ同じになるので、
バッターボックスの位置で、どのあたりを球が通過するか、
予想がしやすいですね。
ところが、(b)のように、縦に割れるカーブだと、
まず、最初の軌道から接線を描くと、斜め上を向いてしまいます。
これにつられて、目線も体も上ずってしまうでしょう。
さらに、(c)に移行すると、今度は、ほぼ水平になり、
いずれ、下向きになることが予想されますが、
そんな短い時間でのバッターボックス内での修正は難しそうです。
有名なシーンとしては、
1994年10月8日の ナゴヤ球場、中日ー巨人の試合です。
同率首位で迎えた最終戦で、
桑田投手が、小森選手に投げた最後の球が、
この縦に割れるカーブです。
こちらが、You Tube の画像です。
丁度、6分経過のあたりです。
もうひとつ、例を示したいと思います。
図2をご覧ください。
ピッチャーとバッターを上から見た図です。
今度は、変化球でも、スライダーの例です。
現在の野球で変化球の代表といえば、このスライダーです。
大半の投手が投げられる変化球です。
その中でも、球のキレやスピードで、突出していたのは、
元ヤクルトスワローズの伊藤智仁投手でしょう。
現役では、楽天ゴールンデンイーグルズの田中投手(マー君)も
よいスライダーを投げます。
(a)の例で、右バッターから見て、
投手が投げてすぐの軌道から引いた接線は、
真ん中やや外よりに来ますが、
実際の球の軌道は、それよりも、ずっと外よりに来ます。
この術中にハマったのが、
元ヤクルトスワローズのラリーパリッシュ選手でした。
元読売ジャイアンツの斎藤雅樹投手のスライダーを
ほぼ毎打席、空振りしていたように思います。
更に(b)の例では、接線が、バッターめがけて伸びてきますので、
バッターは、デッドボールの心配があり、
避けてしまう場合がありますが、
実際には、見送りのストライクになってしまいます。
新人のバッターが、プロの投手の変化球に慣れておらず、
腰が引けてしまう場合がよく見受けれらます。
と、このような感じで、
微分積分の世界が野球にはあるという例を
示させていただきました。
野球ネタで、もう1,2本書きたいと思っております。