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喉頭を上げずにリラックスして発声していますか? キケンな声帯疲労を起こさないために

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歌手のつんく♂さんがご病気になったとのニュースを見てショックを受けた方も多いと思います。一日も早いご回復をと願う一方、やはり歌手として頑張ってこられたのだ、ゆっくり休んでいただきたいとも思いました。
「つんく♂ どうなる今後の音楽活動 医師「声帯が"金属疲労"」という記事の中で「福田医院(横浜市)の福田伴男院長はつんく♂の症例について「声帯が"金属疲労"を起こしたようになり、それが原因で発生したポリープががんになったのではないか。歌手の職業病のようなもの」とお話なさった専門家の先生のご意見を読み、心配になった方もいらしたのではないでしょうか。

しかし、プロと一般の方々とでは、発声する絶対量が違います。
それでもやはり、声帯疲労は起こさない方が良いに決まっています。
そこで、本日は声帯の疲労を起こさないための正しいボイトレ法をお伝えしていきましょう。

ボイストレーニングと言えば、きっと誰もがやったことがあるのではないでしょうか?ピアノのドミソミド〜にあわせて「アアアアア〜〜」とやるあの発声練習です。

周りの人たちと合わせていれば何となくできてしまうボイストレーニングですが、もしかしたら間違っているかもしれません。


■■■ 私は間違えてやっていた ■■■


例えば、腹式呼吸。
ボイストレーニングを始めたばかりのころ、「ハイ、息を吸って〜お腹を膨らまして〜、ハイ、息をはいて〜お腹を凹まして〜」と、みんなでかけ声をかけながらやっていました。

しかし、この呼吸法は健康には悪くないのですが、声は少しも良くなりません。
なぜなら、実際の発声と、この腹式呼吸のトレーニングは少し違うからです。

また、「声を良くするために明日から腹筋だ!」とよく言われます。
確かにボイトレの一環で私もやっていました。

これも、スタイルを良くするためには悪くない方法ですが、声は良くなりません。
なぜなら、声を出すときに使う筋肉と、腹筋のトレーニングで鍛える筋肉は違うからです。

腹式呼吸をやって、腹筋をやって、その他いろいろやって・・・「アアアアア〜」と根性で高い音まで声が出るまで練習する。

結局、頑張ってノドで力む癖がついてしまいました。
それは、喉頭が上がりすぎてしまい、声帯に負担がかかっている方法です。
後々、力む癖をとることにたくさん時間を使うことになってしまいました。


■■■ 正しいボイトレのやり方とは ■■■

良い発声とは、ノド周辺はできるだけリラックスさせること。
そして、頑張るのは横隔膜だけです。

カラオケやアマチュアコーラスで頑張って叫んでいる状態というのは、たいてい、喉頭が上がりすぎていて声帯に余分な負担をかけています。普段の生活でも、夕方になると声がかすれるとか、キンキン声で発声している状態がそれです。

喉頭の上下は、声の音色に関係します。
豊かで良く響く声というのは、ある程度喉頭が下がった状態で、リラックスした発声をしてはじめて得られるものです。

そのために、ボイトレではまず第一に、「横隔膜」をしっかり使えるようにすること。
横隔膜をしっかり使えるようになれば、ノドで頑張ることがなくなり、喉頭も上がり難くなります。
なので、一般的には、横隔膜を鍛えることで発声のほとんどの問題は解決されます。

呼吸するだけで横隔膜をピンポイントで鍛えることができる簡単なトレーニングをご紹介しましょう。

★★横隔膜ブレス★★
 
1、肋骨のすぐ下あたりに手を当てる
 
2、顎を下げて口を開け、息を吸う
 
ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。口を開けることで喉頭が下がりやすくなります。
 
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と(特に)鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはき、6秒目で止める。
 
ポイント:頬と鼻の下がパンパンにふくらむように。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。
 
4、再び口を開けて2から繰り返す。5回行う。

口のふくらみがたりないと、効果がありません。
口をふくらませることで圧がかかり、横隔膜が鍛えやすくなります。
鏡を見てリスが餌をほおばっている姿をイメージしてください。

これは疲れます。
横隔膜に効きます。

私は、このトレーニングを行ったとき、いかに自分が呼吸できていないかを知りました。


■■■ ノド周辺をリラックスさせて ■■■

力んで発声する癖がついてしまった方や、上手になりたい方は、下記のトレーニングを行うと改善され、さらに良い声に変わっていきます。

ノドの力みがひどかったり、もっと上手になりたい場合は、2番目に、ノド周辺をリラックスさせるトレーニングを行います。

「リップロール」
唇をブルブルさせて「プルプルプルプル〜」とロングトーン。喉頭が上がりすぎずノドがリラックスして発声できます。リラックスするといかに高い音が出しやすいか実感していただけるでしょう。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください→「一流ボーカリストも必ず行う簡単なボイトレ、あなたはどうしてやらないの? 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『リップロール編』」

そして声帯をピンポイントでトレーニングするのが「エッジ」です。「自分の出したい声を声帯に最小限のエネルギーで発声することを声帯に覚えさせる」トレーニングなのです。

「エッジ」
「あ~」と言うつもりで、声になるかならない寸前のところで「あ"あ"あ"・・・」と発声する。そこから「ブチブチ・・・」という雑音のみを続ける。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください→根性で強引に発声していても良い声にたどり着くことはないのを知らなさすぎる 声帯のための簡単な「エッジ」のトレーニング


■■■ 正しいボイトレほどシンプルだ ■■■

世の中には、難しく複雑だったり、防音室がなければできないほどのトレーニングもあります。しかし基本の正しいボイトレほど、シンプルで簡単、そして、目的がはっきりしていて科学的だと言う事がよく分かりました。

何年も行い続けても少しも良くならないとか、根性で声を出さなければならないことはないのです。

まず横隔膜を第一歩、トレーニングしてみてください。

 

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