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ライフワークとしての学びを考えます。

上手な人は声帯を閉じることを知っている 今すぐできる「声帯閉じトレーニング」

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「滑舌が悪いのでなんとかしたい」
「滑舌が悪いのがコンプレックスになっている」
「方言がきついので恥ずかしい。滑舌を直したい」
「肝心な場面で言葉をつっかえる。プレゼンが怖い」

そうおっしゃる方、本当に多いです。
セミナーでも必ずと言っていいほど滑舌についての質問が出ます。

しかし、滑舌は「横隔膜のトレーニング」でほぼ解決します。

滑舌で悩んでいる方の話し方を聞いていると、たいていは横隔膜が使えていなくて息が流れていません。
先日、「何年もトレーニングに通っているけれど・・・」とおっしゃる方も、息が止まっています。だからなにを言っているのか良く聞こえなくて、申し訳ないと思いながら「あの・・今のもう一度お願いします」と何度も聞き直してしまいました。きっと、滑舌のトレーニングは一生懸命なさっているのに、横隔膜が使えていないので、せっかくの言葉が生きてこないのです。

子音は、横隔膜でしっかり息を流すことで明瞭に発音できます。
例えば[p][t][k]・・・など、息をしっかり流し、唇や舌で一瞬息を止める作業を行い、[n][s][m][z][l]・・・なども横隔膜により摩擦や振動や圧をかけて発音するからこそ、明瞭な響きが得られるからです。

横隔膜のトレーニングについてはこちらをご参照ください。
リンク→【腹式呼吸はできるけど、腹式呼吸のまま歌えない!! それはなぜか?】

ただし、舌や口周辺の筋肉が弱ってしまっている場合においては、一種類のみ「舌筋のトレーニング」を行えば、まず数週間で解決します。

舌筋のトレーニングについてはこちら

リンク→【舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります】


あとは母音です。

母音は、できるだけ「口の中」を広くして、横隔膜を使って十分に息を流してあげることで、良く響く声を出すことが出来ます。
「この人は明瞭で良く通る声だなあ」と思う人は、母音がしっかり響いているということです。

ただ母音の場合も、日本語は特に、言葉の頭に母音がくるときに不明瞭になりがちです。

例えば「本日はありがとうございました」の場合。

「本日わぁ〜りがとうございました」

・・・というようになりやすいのです。

こうなってしまうと、滑舌が悪く聞こえます。

これも、横隔膜を使うことで解決します。

この場合のさばき方は2種類あります。

1、ゆっくり話し、間を置く
「本日は(間)ありがとうございました」
誰でも簡単にできて、話しも伝わる一番おすすめの方法。横隔膜を使って、大きくても小さくても良く通る声が出るようになると、響きが充実して、ゆっくり話しても間が持つようになり、自然と滑舌もよくなります。

* * * 一般的なビジネスパーソンはここまででもOK。レベルアップしたい方は下記をご覧ください * * *

2、声帯で息を止める
これは専門的には声帯の「ストローク」と言います。横隔膜で息を流しながら、声帯を閉じることによって息を一瞬止める方法。
本日は(「あ」にストローク)ありがとうございました」となります。
母音が言葉の頭にくる場合、声帯で息を一瞬とめて発声することで、言葉が明瞭になるのです。
2のほうは、ちょっとしたテクニックがいりますが、流れるように話せるのでよりエレガントにきこえます。


発声は、息が押しあがってきて→息が声帯を息がこじあけて→もう一度閉じて→「ア~」(発声)、となります。
ただ「ア~」と言いながら「声帯が閉じているな」と感じる人はあまりいないと思います。たいていの方は「なんだか分からないけどこんな声になっちゃった」という方がほとんどだと思います。
声帯の閉じ方を覚え、声帯を舌や唇などと同じように使って息を止める方法を身につけることで、効率よく言葉を発音することができます。

そのために、横隔膜を使いながら子音を発声し、声帯を閉じることに気がつかせるための簡単なトレーニングをご紹介しましょう


まず、肋骨下のお腹に手を当てる。
すべて「ブレス(息を吸う)」してから開始してください。
 
1、「pの子音」 出ようとする息を唇で止め、お腹を手で押し、ちょっと我慢してから破裂させる。「プッ」というような音。
 
2、「tの子音」 出ようとする息を舌先で止め、お腹を手で押し、ちょっと我慢して破裂。「トッ」というような音。
 
3、「kの子音」 出ようとする息を舌の真中で止め、お腹を手で押し、ちょっと我慢して破裂。「クッ」というような音。
 
4、声帯の「ストローク」
アゴを下げて口を緩く開いたまま息をすって、声帯で息を止め、ちょっと我慢して軽くお腹を手で押し、コツッと当てるように、できるだけ短く「ア"」という音を出す。(「ア」と「ウ」の中間のような音で「ア」の短い音ではありません)低めの音をイメージ。
 
5、1→2→3→4→5をゆっくり繰り返す。


このトレーニングは、「息をとめる位置がだんだん奥に入っていく」ことがポイントです。
「声帯とはここかあ!」と気がつき、声帯をより意識しやすくなります。


「思っていることが表現できない」
「響くけど優しい声が出したい」
「いつも一本調子になってしまう」
「思い通りに言葉が出ない」

気合いで何とかなる場合もありますが、気合いは人によって違いますし、気合いだけだとうまく行かないこともあります。
こういう方も声帯の閉じ方を知らないだけ。

このトレーニングをして声帯の閉じ方を覚えると、表現力がついてきます。
まずは声帯の閉じ方を覚えておいてください。

さらなる表現についてはまた次回に。


 

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