オルタナティブ・ブログ > 大人の成長研究所 >

ライフワークとしての学びを考えます。

一流のアナウンサーはほとんどの人よりゆっくりしゃべっている 早口言葉不必要でもプロのように聞こえるトレーニング方法

»

「滑舌が悪く何を話しているか分かりにくいと言われるので、滑舌を良くしたい。」
 
そうおっしゃってボイストレーニングのレッスンにいらっしゃる方が多く、やはり滑舌の問題は大きいのかもしれないと思っていました。
 
そこで、実際にスピーチをしていただくと、ほとんどの方が話す速度が大変速いのです。
 
速すぎることで、ご自分のスピード容量を超えてしまい、言葉が「すべる」「噛む」「つっかえる」「”たたた大変です・・”のように言葉の頭を何度も言ってしまう」となっているのです。
 
それを滑舌のせいにして、より舌筋をきたえたり、早口言葉を練習して滑舌をよくしようとする。
そして滑舌がよくなれば、もっと早口になる。
そしてまた、つっかえてしまう。という悪循環に陥っています。
 
そもそも、あまり早口というのは、もし見事に話しておられたとしても、聞くほうからするとスピードが速すぎて理解し難いものです。
私は、最近仕事柄ビジネスパーソンの講演を聞きに行くことがあるのですが、大抵の方はスピードが速いと思います。「ゆっくり話しすぎ」と思うことはほとんどありません。
 
それでは、ゆっくり話せば簡単だ。
そう思いがちですが、ゆっくり話すのも技術がいります。
 
意外に思われるかもしれませんが、私はレッスンに来る方に、滑舌を鍛えるより、より深く響く声をトレーニングしながら「ゆっくり話す方法」を重点的にお伝えしています。
 
ゆっくり話すとは、単純にゆっくり話すということではありません。
普通の方は、間をとったり、言葉がなくなったりすることになれていません。
私は、演奏などで「休み(音の無い瞬間)に感情をこめる」「フレーズ(言葉のまとまり)感をつくる」「ブレス(呼吸)を使う」という稽古を行っているので、抵抗感がありません。
それは、話すときも全く同じです。
 
まず、練習として、基本になる文章をご自分で作っていただき読み上げてもらう。

文章は、例えば「本日は、皆さんお集まりいただき、有り難うございました。これより、第四回定例会を、開催させていただきます。それでは、お手元の資料を、ごらんください。」
のような簡単なありふれたものでよいのです。
 
そこに間をとるところ、ブレスをするところを書き込んでいきます。
 
「本日は□皆さんお集まりいただき□有り難うございました。□□□(ブレス)これより□第四回定例会を□開催させていただきます。□□□(ブレス)それでは□お手元の資料を□ごらんください。」
 
という感じです。
話している方は「こんな間をとったことないので話していてジリジリする。」「間が持たないと感じる」「いつもこんなに息を吸っていない」と一様におっしゃいます。
 
それを録音したものを聞くと、これまたほとんどの方が「とても聞きやすい」「アナウンサーとか俳優のナレーションみたいだ」とおっしゃいます。
 
そうなんです。
プロも、このくらいの速度で話しているのです。ですから、誰にでも伝わりやすい。
 
例文を使ってこの話し方になれてくると、いつものプレゼンがゆっくりになってきます。
 
最低限の滑舌(下記参照)は必要ですが、それ以上に必要なのは、分かりやすく話し伝えることです。早口言葉を練習する時間があったらぜひ声のトレーニングと、ゆっくり話す練習をおすすめします。

★★関連トレーニング★★

舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります

Comment(0)