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ボイストレーニング効果で声が明るくなってくるとレパートリーが広がる

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合唱で一番難しいのは何かと問われれば、迷いなく「アカペラ」と答えます。ピアノなどの伴奏が入らないので、プロでも音程が下がってしまったりするのはよくあることなのです。

声が下がって聴こえる大きな要因の一つとして、声のポジションが下がっている、というのがあげられます。声が暗くて落ちている感じの声です。この声で歌い続けると、音程が合っていても、残念ながら音が下がって聴こえてしまいます。そして、以前のブログ「なぜ音が合っているのにハモらないのか」で、狭い母音は倍音が少ないと書きましたが、ポジションが下がっている声も倍音が少ないためハモりにくいし、遠くまで通らないのですね。そうなると、アカペラは、いくら頑張って音程を合わせていても綺麗にハモって聴こえません。
 
2011年11月5日合唱団コール・リバティストでは、ブスト作曲女声のアカペラ作品より「Allelujah」と「Salve regina」を練習しました。
 
コール・リバティストは混声合唱団なので、男声もいるのですが、次回の定期演奏会のプログラムに2曲だけ女声のアカペラ小品を入れてみようということになりました。
 
女声の合唱は、上手くすると、透明感があって純粋で器楽的な響きを作り出すことが出来ます。そうすると、混声だけの曲よりプログラムに多彩さが加わり、お客さんに喜んでいただけるのではないかという思いがあります。
 
リバティストの女声は、もともと響きが軽いので、今回の小品2曲には声質が向いていると思います。
さらに最近、1年以上かけて行ってきたボイストレーニングの成果が出始め、声が明るく通るようになってきました。
 
簡単に書いていますが、毎週土曜日の午後からボイストレーニングでじわじわと声を作る作業は、なかなか根気がいることでもあります。クラッシックの発声は、やはりちょっとの辛抱はいるのですよね。
練習前に急なお仕事が入ったり、金曜日遅くまで仕事をしていたりすると、疲れもあるかもしれません。もうちょっと寝ていたいと思う気持ちもあるかもしれません。でも頑張って出てきてくれるのです。
今まさに、彼女たちの努力・・・そして献身が少しずつ芽を出し始めているな、と感じています。
 
音大を出ているわけでもない。普通の社会人です。そんな彼女たちが聴衆に感動を与えてくれるのではないか。世の中に明るい光を投げかけてくれるのではないか。そんな淡い期待を抱かせてくれるような響きが聴こえるようになってきました。
 
この日は、本番指揮マエストロの初練習でした。
初めての稽古なのに「出来そう」と思われたのでしょう。仕上がりと同じ超特急のテンポでいきなり振りはじめたのです。
途中何度かバラけそうになりましたが、何とか頑張ってついていくことが出来ました。「いいねえ!リバティストの女声いいよ!」と声があがります。
 
いったん無理を承知ででも速いテンポに持っていけた。これはとても良かったと思いました。しかし、次回の稽古では遅いテンポに戻してゆっくり練習しなおします。
「一回速くしたのだから、もうゆっくりにする必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、ここが大事なのです。速いばかりでは演奏が荒れてきます。必ず螺旋階段を昇るように練習していくのですね。
 
この日は他に、中田喜直の混声合唱組曲「都会」全曲、「海の構図」より「海と蝶」、ブストの「O magnum mysterium」、「Pater noster」を練習しました。
 
リバティストは、男声もしっかり練習しています。男声についてもまた別の機会に書きたいと思います。
 
そろそろ来年の足音が聞こえてきました。5月の定期、良い演奏会になりそうですね。

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