大学って4年間もかけて何なんだ?! 何の役に立つんだ?
この頃、大学を卒業してから専門学校に入り直す人が増えているといいます。
大卒から専門学校に入学する人は2%前後だったのが、一昨年からいきなり10%を越え、今年はさらに増えると予想されています。
それでは、なぜ、わざわざ専門学校に行くのでしょうか?今朝のNHKニュースで放送されていましたのでご紹介します。
専門学校の入学案内パンフレットのキーワードは「再スタート」。
就職が上手くいかなくて行き場を失っている学生が増える中、もう一度行きたい会社を目指しては?とアピールしているのです。
公務員志望者コースは、グループで議論することにより、面接で重要視されているコミュニケーション力を養うことに重点を置いています。
また観光業を目指す人には、実際の挙式で、ウェディングプランナーやプロの司会者など、現役の第一線で働いている先生より直接指導を受け、本物を体験する。現場を見たということが面接において説得力が出るそうです。
『面接道場』というトレーニングもあります。
会社ごとの面接を分析して、実践的な模擬面接を行ってくれるのです。
この、徹底してより具体的な就職サポートが、大学にはない魅力なのでしょう。
では、大学は一体何をやっているのか?
「(専門学校に入り直す大卒者が増えている現状をみて)大学って何なんだ?!4年間かけて。大学は社会にどんな人材を輩出していくのか?改めて問われているのだと思います。
卒業して何の役に立つんだ、ということを明示していかなくてはいけない。
大学教員が卒業後というものに対して、責任をとっていく必要があるのではないか。」
と、東京大学教授が語っていました。
昨日の記事にも書きましたが、時代が変わってきています。そうだったらば、「良い大学に入り、良い会社に就職する」ことに縛られる必要はなく、かえって各自が自由になれるのではないでしょうか。
私の場合、子どものころからピアノをやっていて、大学を卒業するときは他の選択肢などないと思っていました。
しかし、縁あって合唱と関わるようになり、音楽はプロだけのものではない、より多くの人と音楽の美しい瞬間を分かち合いたい、という思いを強くするようになりました。
そうなると、ピアノだけでは足りません。
ピアノ伴奏法だけではなく、声楽、ボイストレーニング、指揮法・・・卒業後これらのものを一から勉強し直さなければなりませんでした。やることは膨大にあることがわかってきました。
そして、ピアノは一台でもオーケストラと同じことができる楽器。ある意味あらゆる楽器の中で一番エゴの強い楽器です。基本的に一人でやっていく生き物なのです。
そういう人間が合唱団の代表となり、リーダーとして立つことは、簡単なことではありませんでした。
最後は人間学を学んでいかなくてはならないのです。
大人になれば、子どものときより、情報はふんだんに入手でき、消化できるようになりますから、もしやりたいことが見つかり、専門学校に入学するならば、人生にとって良い方法だと思います。
自分は何者か?一体何になりたいか?
就職のためだけでなく、本来の自分のために、大学を出てから専門学校へ行くことも価値のあることではないかと思っています。