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戦略戦術のプロフェッショナル、アレクサンダー大王もユリウス・カエサルも持つ絶対感覚 ピアニストは絶対音色感覚が必要

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10月13日の記事で「絶対音感」について書きました。
 
何の音か当てて聞きわける絶対音感は、技術の一つであると考えます。
しかし、もし無くてもピアニストとして致命的であるか?というと、わたしはそうでもないと思っています。
 
もし、本当のプロとして必要なものは何かと言うのならば「絶対音色感覚」ではないでしょうか。
これがあるかないか。
決定的にプロとアマを分ける条件でもあると思います。
 
その究極の例が、キャンセル魔で、社交嫌い、完璧主義者のピアニスト、演奏会を聴くことが出来さえすれば全て名演奏、神秘の巨匠アルトゥーロ・ベネデッテイ・ミケランジェリの音色感覚。
 
音というのは鳴らした音そのものだけではなく、ホールの空間にはその倍音も鳴っています。かなり高い倍音はなかなか聴こえないものですが、ミケランジェリは超人的な聴力をもって、この高次倍音の部分の出し方、組み合わせ方により、魔法のような音色を実現しているのです。
 
超人ミケランジェリほどではなくとも、この絶対音色感覚を常に磨き続け、様々な音色を聴き分け、表現していくことがプロにとって必要なのではないかと思っています。
 
塩野七生さんの著書「日本人へ リーダー篇」において、演奏家の「絶対音色感覚」と共通することが記述されていました。
 
例えば、ジョルジオ・アルマーニは「絶対色感覚」があると言います。
普通の人ならば単なるグレイで括ってしまうところを、を種々様々な多くのグレイに色分けし、さらに、これとこれ、あれにはあれ、という具合に合わせて見せてくれたそうです。
 
そして他には、「絶対ファイナンス感覚」があるジョージ・ソロス。
 
ヤマハに乗ってもホンダに勝つヴァレンティーノ・ロッシは「絶対運転感覚」。
 
塩野さんならではの人選、アレクサンダー大王、ユリウス・カエサル、カルタゴの名将ハンニバル、ローマの武将スキピオも「戦略戦術上の絶対感覚」の持ち主であったに違いないと書いています。
 
さらに、政治の世界にもプロとアマを分けるのは「絶対政治感覚」の有無で判断できると言います。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
「どうして小泉首相はああも幸運に恵まれているのですか」(民主党議員に質問されて)
「優れた政治感覚の持ち主だからでしょう。なぜなら、政治上の決断は、まだ結果どちらに転ぶかわからない時期に下さねばなりません。良いほうに転んだとしたら、それは決断した当人の感覚が冴えていたということですね」
 
しかし、分野が何であろうと、この種の絶対感覚は、いったん持てば、それ以後も維持できるというような簡単なものではない。
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・

残念ながら、才能だけではなく、この種の感覚は日頃の訓練しかないようです。
だからこそ、プロというものが存在するのでしょうね。

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