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ライフワークとしての学びを考えます。

カンニングといっても悪いことばかりではないのです

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歌を歌うと息が続かない、ということを良く聞きます。
 
確かに、歌を歌うということは息=ブレスが必要です。
そして、長いフレーズをたった一人で歌いきるために、オペラ歌手は大変長いブレスを持っています。
 
だからといって、マラソンをしたり、水泳をしたり、何かスポーツをして鍛えている、というわけではないことは、彼らの体型を見ればよく分かると思います。
かといって、もともと通常の人の何倍もの肺を持っているわけではないのです。
 
2010年7月31日、私が指導を努めるコール・リバティストでマエストロをお招きしての練習を行いました。
そこでも息の長さについての勉強を行いました。
 
一昨日の記事でも書いた通り、声楽は響きです。響きの成分を多く作り出すことができるようにすることが声楽の発声トレーニング。
このときに声帯を効率よく使えるようにすることが大事です。
そうすることで響きの倍音も多くなり、息も少なくて遠くまで良く通る声を作り出すことが出来ます。
この方法については、また別の機会に書くことにしますね。
 
ただ、合唱の良いところは一人ではないってこと。
「ブレスが続かなかったら、ぜひカンニング・ブレスをしてください」なのです。
 
カンニング・ブレスとは「本来ブレスしてはいけないようなところでこっそり息をついでしまう」ことです。
何人も歌っているのですから、お客さんには全体で一つにつながって聴こえれば良いわけで、やろうと思えば全曲通してノン・ブレス演奏も可能なわけです。
すごいアカペラ合唱団などは、「一体どこでブレスしているんだろう」というところもあります。巧妙なカンニング・ブレスを行っているのですね。
 
カンニングなどというと、悪いことばかりのように思えますが、そうでもないこともあるのです。
 
さて、カンニング・ブレスのコツとは。
 
・足りなくなる前に吸うこと
 
ギリギリまで我慢して、声が震えたり、音程が下がってしまうほうがよくありません。なるべく早めに吸っておきましょう。
 
・人が吸わなさそうな場所で吸うこと
 
これがカンニング・ブレスの最大のテクニックです。
皆が吸いそうなところでブレスしたら全員が吸ってしまい、そこだけぽっかり穴があいてしまっという失敗は良くあることです。
 
プロは自分が吸うところを各自決めています。
大貫先生は「一拍目はまず皆さんが吸わないので、一拍目でブレスするようにしています」でした。
 
例えば「浜辺の歌」ならば、「あし~たは~まべ~を~さ(ブレス)~あよ~えば~」というわけです。
人は通常一拍目は歌いたくなるところなので、これは良いアイデアだと思いました。
 
合唱人の皆さん、ぜひカンニング上手になってくださいね。

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