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ライフワークとしての学びを考えます。

この暑い中さらに気温が上がってしまうような3人でごめんなさい

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皆さん、3大テノールをご存知でしょうか?
プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、今は亡きルチアーノ・パヴァロッティ。
この3人のことを言います。
彼らのコンサートは、イベント的な意味合いもあったので、普通のホールではなく、競技場などでコンサートが行われました。
世界各地、それぞれのファンが追っかけてきて、会場は埋め尽くされ、チケットは即完売なのです。
 
会場が巨大だということもあり、彼らのコンサートは仕方なくマイクを使用しています。
 
「おや?歌でマイクを使用しないなんてどうして?」と思われる方いらっしゃるかもしれませんね。
 
クラッシックの声楽家は通常、オペラやリサイタルではマイクなしで歌います。
マイクがなくても2千人くらいのホールだったら軽々と後ろの席まで声が届き、まるで目の前で歌っているような声を出すのです。
 
これが歌手ではなく、わざわざ「声楽家」と言われる所以。
日々の厳しいトレーニングを積んで、人間技と思われないような声量や響きを作り出します。身体が優秀な楽器というわけですね。
 
声で一番大事なのは「響きの成分」です。
 
必ずしも声量は必要ないのです。声量がなくとも響きの成分が多いと、遠くまで飛んでいく声となり、会場一杯のお客さん全員に感動が届けられます。
 
私が指導を努める合唱団コール・リバティストでは、毎週午後からのボイストレーニンで、身体の楽器作りを行っています。
 
このボイストレーニングでは、やはり「響きの成分をいかに増やすか」というところに重点を置いています。7月31日の練習でも響きの練習を中心に行いました。
メロディがいかに上手に歌えても、音程が正確であっても、響きが少なくて聴こえなくてはどうしようもありません。お客さんに聴こえて初めて感動が伝わるのです。
 
特に「ソ」より下の音域。中音域から低音域にかけての響き作りは誰でも苦労するところです。もちろん高音域も勉強しなければならないのですが、この中間音以降が余裕をもって発声されることで高音が安定されるのだと思います。
音が低いからといって低い位置で歌っては、オーケストラやピアノという音量を乗り越えることは難しい。
とにかく「高い位置で」発声することを心がけます。
 
これはマイクを使っていたとしても同じ。マイクがひろうのは響きの成分です。
 
それでは本日は、三大テノールの競演による「オ・ソレ・ミオ」を聴いてみることにいたしましょう。

右からパヴァロッティ、カレーラス、ドミンゴ。
オケの前奏部で、なにやらごちゃごちゃと打ち合わせの3人。パヴァロッテイが抜け駆けのハイBのトリルを聴かせてくれれば、あとの二人も負けじと歌うところが茶目っ気たっぷり、さすがの演技力で、もうファンも大喜びですね。
聴きのがしてはならないのは、やはり低音域の丁寧な響き。高い声をこれみよがしに出すだけではないのです。
 
しかし、この暑い日に熱い3人。
3つの太陽で、どうか夏をお楽しみください。

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