短いようで長い8分という時間の中にこめられたすべての人の想い
東京都合唱連盟主催、第65回東京都合唱際。
7月17日、18日、19日、24日、25日に五反田ゆうぽうとホールにて開催され、連日50団体が演奏します。
参加団体約280団体、5千人超の出演者。
名付けて「コーラスヒアリングマラソン!!」です。
毎年7~10団体が増え続け、これ以上増えるとホールを確保する関係から、やっていくのが難しいような情況だそうです。
そのため、一団体の演奏時間は8分以内。
8分+出入り1分とすると、ギリギリ一日50団体しか演奏できません。
そこをなんとか、出入りを30秒にすると、20団体で10分確保できることから、スタッフは秒単位で時間の節約をしています。
例えば、ピアニストがピアノの椅子を舞台上で調節する時間、その10数秒を節約するために、舞台袖にあらかじめスタインウェイの高さに設定した台を置き、そこで椅子の高さをきめてもらいます。
スタッフはその椅子をそのまま舞台のピアノ前に設置する、という寸法です。
スタッフの方々は、各団体ごとに、ムダのない動きで舞台をセットしていきます。
ピアノを使わない団体にはピアノをわざわざ下げたり、譜面台を置いたり置かなかったり・・・演奏内容に合わせて変えてくださっています。
そのあたりを適当にせず、団体ごとに気持ちよく演奏してもらえるよう、心をこめてやってくださっているのです。
あるスタッフの方などは、ただ単に舞台ソデから舞台中央に譜面台を置くだけの作業を行い、万歩計をつけていたら一日2万歩にもなっていたのだそうです。
各団体を控え室に案内する係りはもっと歩いているに違いありません。
客席からは見えない気遣いと努力があるのですね。
演奏する方も、そういった事情が分かっているのといないのとでは大きな違いです。
このご苦労を知ると、8分という時間がとても貴重に思えます。
8分の時間はクラッシックの演奏には少し短いようにも感じますが、短いようで、長く重い8分なのです。
皆が感謝の気持ちで舞台に立てば、きっと素晴らしい演奏会になるでしょうね。