ピアノを上手に弾くためにはずせない2つのポイント
「ハイフィンガー奏法」という弾き方があります。
指を一本一本しっかりと上げて弾くやり方で、「ピアノの前蓋に指のお腹が映るくらいにしなさい」と言われたことがある人もいると思います。
ツェルニーなどの練習曲をハイフィンガーで練習すると、確かに指はしっかりしてきます。曲によっては、バリバリと音を立てるようなメカニックも確かに必要ではあります。
しかし、指がふにゃふにゃで手の小さい子供に、ハイフィンガーをさせると負担が大きく、手に力が入りすぎる傾向があります。
また、かなり手のしっかりしてきた年齢の場合でも、力まかせに音を出すクセがつき、音の透明性が損なわれるリスクがあるのです。
ピアノは、指を鍵盤から出来るだけ離さないで弾いて欲しいのです。
そのためには脱力が大事です。
スポーツでも「力を抜いて」とよく言われますね。
いかに力を抜いて脱力するか、ということは結構難しいことです。
ただ立っているだけでも、どこかに知らないうちに力が入っているものだと思います。
力を抜いて、手や腕の重みを鍵盤にかけ、その重みを移動するように弾くのです。
絶対に指で鍵盤を叩いてはいけません。
そして、ポイントは手首の関節です。
手首の関節を柔軟にして、そこでコントロールしながら弾くのです。
ピアノの上手な人と下手な人の大きな違いはどこか?
私は「手首」だと思います。
下手な人は手首がガチガチで全く動きませんが、上手な人はとてもなめらかに手首を使っています。
以前私が受け持った生徒で、驚いたことがあります。
先生を変わって来た人だったのですが、「手の甲に消しゴムを置いて、それが落ちないように弾けなければならない」と指導されていたのだそうです。
これは完全にハイフィンガー、指のみの動きで演奏する方法です。
力が入ってしまい、手がこわばったような状態で弾いていました。
一度力を入れて弾くことを手が覚えてしまうと、脱力させることはかなり困難です。
テキストはよく進んでいたのですが、このまま弾き続けてもどこかで苦しくなってしまうことは目に見えていました。
せっかくのテキストはいったん中止し、優しい曲で、力を抜くことを一からゆっくり覚えてもらったことがあります。
1、ピアノは手首の脱力。
2、指は鍵盤から出来る限り離さないこと。
この二つは、ピアノを弾き続ける限り永遠に追求するテーマでもあります。
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