自動体外式除細動器を体験してきた
もう先週のことになるけれど、我が家からすぐ近所の東京技術安全所が一般公開していたので、見に行ってきた。
さまざまな消防関連の技術などが展示されており、屋外でははしご車や特殊災害対策車などの、普段は間近に見ることのできない車両の見学などができた。火事の仕組みを改めて解説してもらったり、人間が入っていけないようなところに入り込むリモート操縦の機器などもデモで紹介されていた。
これが特殊災害対策車で、都内には幡ヶ谷と八王子に1台づつ配備されている。
これは、カメラがついていて遠隔操作で人が入っていけないところの捜索などに使うようだ。
こちらは、除染をするためのシャワーが付いた特殊車両。左側は救助者を担架のまま除染できるもので、右側は救助作業を行った隊員などが自分で除染するためのシャワー施設。除染した汚水は一旦溜めてあとで処理するとのこと。
こちらは毒ガスとか特殊な災害時に活動するための防護服。こんなのを着て対応しなければならない事態が、どうか起こらないようにと思った次第。
見学ばかりではなく、さまざまな体験もできる。その1つで、震度5以上の日本各地で起こった地震の揺れを再現する機器に乗ることができたんだけれど、こんなに揺れるんでは何かにただしがみついているのがやっとだなということを実感するなど。
もう1つためになる経験がコレ。
最近、あちこちで見かけるAED(Automated External Defibrillator)だ。日本語では自動体外式除細動器。左下にある赤いバックがそれ。とはいえ、AEDを使う前に、まずは心臓マッサージ。みぞおちの少し上くらいに手のひらを当てて、大人の場合は5cmは沈み込むように押し込む。それを、かなりのペースで繰り返すので、これを長い時間続けるのは相当大変だなぁと。そして、人工呼吸もセットにするのだけれど、口対口の人工呼吸がためらわれる場合、一方向弁付人工呼吸用具がない場合、血液や嘔吐物などにより感染危険がある場合などは、人工呼吸を行わず胸骨圧迫だけを続ければいいようだ。
で、その次のステップで使うのが、いよいよAEDだ。これ、「自動」という名前が付いているように、基本的には自動で機械がサポートしてくれる。なのでそれほど難しいものではない。バッグをあけ、スイッチを入れれば、音声で何をすればいいかをガイドが流れる。あとは、その指示に従うだけ。まずは中に入っている電極パッドを本体につないで、それを同梱されている絵の通りに対象者の胸に貼り付ける。そうすると、AEDが電気ショックが必要かどうかを自動で判断。必要となれば、ショックのスイッチを押すことに。その際には、対象者の身体には触れないように注意する。
で、テレビドラマなんかで心臓が停止したときに、やはり電気ショックで蘇生させる映像が流れるけれど、AEDでショックを与えてもテレビのように30cm以上も身体が跳ね上がるというようなことはないそうだ。こういう知識も、講習などで一度聴いておくに越したことはない。
最後に、これは是非皆さんにも知っておいて欲しいことが。それが「東京版 救急受診ガイド」の存在。これ、救急車を呼ぶべきかどうか迷ったときに自己診断できるWebサイトだ。スマートフォンや携帯からもアクセス可能だ。また電話でも24時間年中無休で対応してくれる「救急相談センター」というのもある。なので、慌てて119番する前に是非「#7119番」まで。