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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

EPUB3.0もいいけど、まだまだアプリケーション化した電子書籍にも可能性はあると思う

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 佐々木さんのCMパンチとの共同プロジェクトで、eBookProというのをスタートしている。ようは、電子書籍に関することなら企画から制作、出版はもちろん、さらにはコンサルティングに講演活動など、なんでもやりますよってプロジェクト。

 その活動の1つの成果として、本日iPad、iPhoneに対応したアプリケーション型の電子書籍小説第一弾『クラウドおかあさん』を、App Storeから提供開始したという発表を行った。先日、Appleが電子書籍のアプリケーション申請をリジェクトしていてどうなることやらというエントリーを書いた。今回の『クラウドおかあさん』もリジェクトされるかも、とちょっと心配していたのだけれど、なんとか無事に審査を通過でき一安心。

 今回、アプリケーションならではの工夫はそれほど入れていない。なにせ、無料での提供ということもあり、あまりコストも手間もかけられなかったためだ。一応、表紙のところでBGMが流れたり、かなりリアルなページめくりを再現したりといったところくらいか。これでだめなら、さらにアニメーションの挿絵を加えるとか、電子書籍なのに著者のサインができる機能なんかを追加しようかと考えていた。ちなみに、電子書籍なのにサインができる機能は、このあと出す電子書籍には是非実装したいなぁと思っている。

 今回はジャンルが短編の小説ということもあり、BGMなんていうのは入れやすい機能だった。これがビジネス書や技術書だとそういうわけにもいかないだろう。その場合に、どんな工夫をすればいいのかは考えどころ。いろいろアイデアは出てきつつあるけれど、これはというものはなかなか見つからない。まあ、このあたりの分野の書籍は、基本はEPUBで作ればいいわけで、そうなると前回同様いち早いストアーのオープンに期待という話を繰り返すことになる。

 EPUBについては、それなりに大きな期待も持っている。先日佐々木さんも紹介していたように、iPad、iPhoneに限定はされてしまうけれど、固定レイアウトで見開きデザインできる方法も出てきているわけで、これを活用すれば雑誌などさらに幅広い分野の書籍を電子化しやすくなるのは確か。ちなみに、EPUBの見開きデザインに興味のある方は、是非『Jazz Japan』のサイトへ。このあたりの技術の進化は、日々前に向かって進んでいるわけで、1カ月前と今ではけっこう状況が変わっていたりする。なので、常に最新情報にアンテナを張っていないと、すぐに情報に乗り遅れかねない。でも、この前に進んでいる感は、やっていて楽しいところでもある。

 もちろん、5月に新しくなるEPUB3.0には大きな期待を寄せてはいるけれど、アプリケーション型の電子書籍もさまざまな活用方法はあるなと思っている。アプリケーションならではのアイデアをさらに盛り込んで、より楽しい電子書籍の制作もしていきたい。そのためにも知恵をしぼって頑張らないとね。

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