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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

電子書籍に大事なもの #adpf2011

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 Adobe Digital Publishingフォーラムに、いままさに参加中。

 キーノートセッションが終わったところなんだけれど、なかなか興味深い話があったのでちょっと紹介しておく。電子書籍は紙とは違うものだけれど、実は本質的な部分で紙と同じ部分があるということ。それは何かというと、文脈だ。

 どういうことかというと、電子書籍は文章があり、そこにビデオやら音やらを加えることができる。それだけならば、Webとたいして変わらないじゃないということになるのだが、Webとの違いはそこに文脈があるということなのだ。つまり、文脈という流れがあり、その適切なところに効果的なビデオなり音なりが挟み込まれていくことで、コンテンツの価値が高まり、読者のエクスペリエンスへとなっていくのだ。

 これは、広告も同じ考え方になるとのこと。WIREDなどのすでに電子書籍で成功している雑誌には、Webではなかなか広告を打たないようなクライアントが広告を出稿している。これは、電子書籍という文脈の中にその企業のイメージに合った広告をきちんと入れ込めるからこそなのだ。たとえば、ティファニーはWebでの広告展開はほとんど見たことないが、じつは電子書籍では広告を出稿しているとのこと。これ、クライアントが自社のブランド表現を電子書籍なら可能だと判断した結果でもある。

 今回のセッションで聞いたところによると、ブランディングの認知度としては、電子書籍は紙の3〜4倍のものがあるとの調査結果が出ているとか。さらにAdobeとコネチカット大学が独自に紙と電子で広告効果を測定したところによると、紙より70%高いインタラクティブ性があるという結果が出たとのことだ。

 このような電子書籍の効果を考えたときに、紙と同じようにどの媒体でも同様な広告を出すのではなく、その電子書籍の文脈に合った広告をそれぞれに制作して入れたほうが効果は高くなることに。そう考えると、電子書籍の出版社というか制作サイドは、広告をもらうというよりは、自分たちの電子書籍の文脈に合わせてクライアントと一緒になって作る必要がありそうだ。当然ここのところには、新たなビジネスが生まれてきそうな気配がある。

 これ、ちょっと自分たちのように電子書籍のビジネスを展開している立場には、重要なポイントだなと改めて思った次第。以前からじつはなんとなく思い描いていたことなんだよね。それが、今日の話聞いて「文脈」という言葉ですごく理解できた感じ。いまいちど、いま企画として走っている電子書籍の文脈について、じっくりと考えてみたいなぁと。

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