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課金方法について考える

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 ネット上で課金する仕組みはいろいろある。クレジットカードは最も手軽な方法だけれど、買い物サイトの信用度合いなどを考えるとカード番号を入力するのを躊躇することもあるだろう。

 物理的な商品が届くという場合ならば、代金引換という方法を選ぶ手もある。これがダウンロードだったり、オンラインのサービスに対する対価だったりすると困ってしまう。Edyのようなプリペイド方式の電子マネーで支払えればいいのだが、いまのところそれに対応しているサイトは少ない。そもそも、電子マネーを使おうと思ったら、対応するICカードリーダーが別途必要だ。

 そうなると、クレジットカードで支払うことになるのだろう。まあ、クレジットカードは補償がしっかりしているほうなので、個人的にはカード番号が漏れてしまうようなことが万一あっても、大騒ぎすることじゃないなぁと納得しながら使っている。

 とはいえ、サービスを提供する側としては、クレジットカードはけっこうやっかいだったりもする。最大のネックは、自社で顧客のカード番号を適切に管理しなければならないこと。どんなに厳重に管理していても、漏れるときは漏れるわけで、その際にはたとえ不正な利用がなくてもその企業は大きく信用を失墜し、体力のない企業では経営の危機なんてことにもなりかねない。それと、クレジットカードの手数料もばかにならない。少額の支払いがたくさんあるようなところでは、それなりの売上を確保できないと、手数料のせいで儲けがかなり小さくなってしまうことにも。

 そんななかで、PayPalはちょっと期待している課金サービスの1つだ。ユーザーにとってはわけのわからないサイトにクレジットカード番号を渡すリスクもないし、サービス提供側でも顧客のクレジットカード番号を預からなくていい。もう1つ魅力的なのは、手数料が安いこと。これは、電子書籍などの少額課金のものを売る際にむくものだと思っている。さらに、PayPalはAPIも公開されており、サイトに課金の仕組みを組み込むのもそれほど難しくはなさそうだ。PayPalは日本での普及はまだまだのようだけれど、欧米ではかなり一般的で、PayPalによる決済方法を追加したら売上が大きく伸びたなんていうECサイトもあるらしい。

 PayPalやクレジットカードは、個人が支払いをする場合には便利な方法だけれど、企業の支払いとしてはいただけない。たとえばAmazon EC2のサービスを利用しようとすると、基本的にはクレジットカードで決済することになる。コーポレートカードでも持っていればいいけれど、日本のサラリーマンでそんな人はまだまだ少ない。仮にコーポレートカードを持っていても、決済口座が個人の給与振り込み口座だったりすることも多く、そんなカードで継続的な会社経費を支払うのはやっぱりいやだ。

 先日、IIJのブロガーミーティングに参加した際に聞いた話だけれど、IIJのGIOというホスティングパッケージサービスは、現状では請求書による支払い方法をとっているとのこと。クレジットカードさえあれば気軽に始められるAmazon EC2と比べ、国内にきちんとデータセンターがあること、そして価格的にもAmazonより安いとは言え、これでは気軽に採用されにくいのではとも思うところだ。しかしながら、対企業利用を考えた場合はむしろこの請求書支払いという面倒くさい仕組みのほうが歓迎されるとのことなのだ。じつは同様の話は、MicrosoftのWindows Azureの取材をした際にも聞いている。課金方法のローカライゼーションはMicrosoftも課題と認識しており、対応したいが日本だけの例外的な対処はなかなか簡単にはいかない問題だ、とのことだった。

 企業でも個人でも、安心して簡単に使える少額課金の仕組み、これも電子書籍の普及には必要だろうなぁと思うところ。フロントはPayPalみたいなサービスで、個人向けにはクレジットカード、企業向けには裏で請求書発行してくれるようなものがあればいいのかもしれない。

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