オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ラジオがいま来そうな予感

»

 先日、PCでラジオが聴けるradikoの話題を取り上げた。iPhoneで聞けないのが残念と言っていたのだけれど、今度は地域コミュニティFMをiPhoneで聴けるアプリが発売されたのだ。

 コミュニティ・サイマルラジオ・アライアンスでは、すでに36局の地域コミュニティFMの放送がPCで聴けるようにはなっていたとのこと。今回はそのうちの9局が、iPhoneアプリで聴けるようになった。

 発表会での話によると、ラジオはTVよりも双方向性の高いメディア、さらに放送というリアルタイム性もある環境。この両方に対応するには、iPhoneという端末が最適だったとのことだ。今回、全国各地のコミュニティーFMが聴けるというのは、たんに放送を楽しむだけでなく、各地域からの情報発信の場にもなるものだ。デジタルサイネージの携帯版といった表現での説明もあった。いまのところは、日本気象協会との提携で各地域の天気情報が得られるのみだが、今後は地域の物産品を販売するとかさらに地域からの情報発信を行う方向で拡張もしていく。さらに、TwitterやUstreamとの連携なども考えているとのことだ。

 テレビはすでにデジタル化も進んでいるが、その割には双方向利用は活発とは言えない。Twitterも取り上げてはいるものの、本当に活用出来ているかは甚だ疑問。それに対しラジオは、すでにTwitterの公式アカウントをもっているところも多く、リクエストやコメントをリアルタイムにTwitterから受け付けているところも出てきている。ラジオ局のWebサイトもかなり情報が充実していて、放送された楽曲がすぐに購入できたり、放送している様子をUstreamで流すという、すでにラジオじゃない世界も生まれている。

 テレビがもたついている間に、じつはラジオがインターネットとの融合では一歩先を行っているのではないだろうか。これは、ラジオがテレビよりも先にビジネスとして厳しい状況に陥り、そこからなんとか抜けだそうといち早く努力した結果なのかもしれない。インターネットの世界はある種スピード感が命。早め早めに新しいことにチャレンジしたところが生き残り、勝利する可能性は高い。そういう意味では、メディアとしてスピード感を身につけているラジオ局には、まだまだ大きな可能性があるのではないだろうか。

 さて、話は今日発表のアプリに戻る。発表会の場でさっそくこのアプリを購入して利用してみた。北海道帯広の地域FMの放送がストレスなくiPhoneで聞けるのが、なんとも面白い。これなら出身地の放送局なんてあったなら、けっこう嬉しいかもしれない。

 ところで、聴いていると帯域が確保できずに音が途切れることがあった。その際にiPhoneの電波はちゃんとつかんではいるようには見える。聞いたところによると、収容局に多くの人が接続しているとかの理由で、帯域が確保できなくなることがあるとのこと。これは、すでに出ている他のラジオをiPhoneで聴くアプリでも、同様な症状になるそうだ。なので、新宿駅のように大勢の人が集まる場所では、どうしても帯域を確保できずに途切れることに。無線LANとかであればそういうこともなく安定するらしい。

 1つ今回のアプリに注文がある。それは、選局画面でラジオ局のロゴだけでなく、是非ともどこの地域にある放送局かがわかるようにして欲しい。いまは9局しかないからいいけれど、今後36局まで拡張するとのことなので、選ぶ際にはどの地域の局かがひと目で分かるようにして欲しいところだ。

Comment(0)