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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

生物多様性と企業活動をどう結びつけるか

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 COP15が開催されておりその行方も気になるところだが、個人的には来年のCOP10のほうが気になっていたりする。

 このCOPというのは”Conference of Parties”の略で、日本語では「締約国会議」と訳すようだ。つまり、COP15のほうは、国連気候変動枠組条約の締約国会議の15回目ということ。COP15はいまコペンハーゲンで開催されているわけだが、環境メディアの記事『公平性ない「政治合意」回避を=COP15で政府に要望-産業界9団体』にもあるように、鳩山政権の高い数値目標をこの会議で日本がコミットすることで、日本だけが不利にならないようにしてくれという声が産業界からは上がっている。

 各種報道を見ている限りでは、各国間の「政治的駆け引き」になっているようで、ちょっと悲しい。本来の地球規模の気候変動に対し国同士が連携して、どのように対処していくのかということを、今一度思い出し実りある結果に結びついてくれたらなぁと切に願うところだ。

 で、個人的に気になっているのは、来年名古屋で開催されるCOP10のほうだ。こちらは、生物多様性条約第10回締約国会議。生物の多様性があるということは人類の生存を支えることであり、生物の多様性からさまざまな恩恵を得ている。ところが、いま、この生物多様性が失われつつある。日々絶滅する生物種がいるのだ。世界全体で生物多様性を確保していこうと、1992年に「生物多様性条約」が採択されたのだ。この締約国会議の10期目が来年10月に名古屋で開催される。

 生物多様性が大事だよね、というのは感覚的には理解できる。が、実際に生物多様性を確保するとなると、一体何をどうすればいいのか。とくに企業活動と生物多様性を結びつけるのはなかなか難しい。これに積極的に取り組んでいるのが、企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB:Japan Business Initiative for Conservation and Sustainable Use of Biodiversity)だ。ここの活動の1つに「企業と生物多様性の関係性マップ」というのがある。これが、前回紹介したリコーのマップの1つ「再生デジタル複合機のイメージ」だ。

 複合機という機械を作るのに原材料であるとか、エネルギーであるとか、水であるとかそういったものがどう生物多様性と関わるかを図示するのだ。こういう発想を企業ができれば、COP15の地球温暖化ガスの排出に対し、企業としてどのように取り組むべきかも自ずと明らかになってくるのかなぁと思う。

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