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日本における小型風力発電の可能性

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 エコプロダクツ2009に行ってきた。以前、ここでも取り上げたゼファーの風車も展示されていたので、話を聞いてきた。

 実物の風車は、小型とはいえそれなりの存在感のある大きさのものだった。流石に、小さい我が家にこれを設置するのは難しそうだ。聞いてみると、新宿とかの都心部でも設置している人がいるにはいるが、隣の家などの日照の問題や音の問題などもあり、あまり現実的ではないようだ。実際、東京都心では風も十分に吹かないので、発電量も十分に確保するのが難しいようだ。

 現状では、日本海側の日常的に風の比較的強く吹く地域での採用が多いとのこと。一般の家庭ではなく、学校や公共施設などの導入状況についても聞いてみた。興味深いのが、すでに500もの学校に風車が設置されているとのこと。うち200は、京都府の学校に設置されているとか。風力発電にかなり積極的な自治体がすでにあるということだ。

 最近では、マンションや企業の所有するビルなどでの設置に関する問い合わせも増えているとのこと。ただ、風力発電だけで設置費用の元をとろうとすると、助成金などがない現状ではまだ10年くらいはかかるということなので、企業のイメージアップなどが目的にならないと採用は難しいかもしれない。

 ゼファーのような小型風力発電については、まだまだ国内の環境が整っているとは言えないだろう。海外について聞いてみると、じつはゼファーではすでに国内の5倍の数の風車を海外で販売しているとのこと。海外の販売の勢いはかなりあるようで、米国の再生可能エネルギーへの投資の状況などを考慮すれば、さらに海外でのビジネスは加速しそうだ。

 太陽光発電にしても、天気の状況に左右されるのでそれだけで安定した発電をするのはなかなか難しい。風力もしかりだ。幸いにして天候が悪ければ風は吹く可能性もあるので、太陽光と風力のハイブリッドがいいのかななんて思う。さらに、地域によっては地熱だったりと別の再生可能エネルギーを組み合わせる方法もあるだろう。狭い国土で限られた自然エネルギー、うまく活用することが早急に期待されるところだ。

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