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Oracleと組んで製造業のCO2排出量削減事業に乗り出すオムロン

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 サンフランシスコで開催中のOracle OpenWorldに合わせ、日本の企業であるオムロンがワールドワイドな発表を行った。

 内容は、オムロンのセンサーおよび制御装置の技術と、Oracleの「Oracle Manufacturing Operation Center」というアプリケーションを組合せて、企業のCO2排出量削減のソリューションを両社で共同で行うというもの。

 まずは製造業をターゲットに、製造現場の設備や個別の機器レベルの電力消費情報をオムロンのセンサーで収集して、そのデータをOracleのアプリケーションで把握、分析できるようにして、エネルギーの消費状況から無駄を省いていくというもの。多くの場合、製品を生産せずに待っているというう状況が、全体の40%くらいの割合で製造ラインでは発生しているとか。待っている状態でもエネルギーがなんらか使われていることが多く、それをいかにして減らして行くかが1つの削減の方策になるとか。数多くセンサーを配置することで、きめ細かなデータを収集することができ、それをOracleのアプリケーションで分析できるようにするのだ。

 オムロンの電力量を測るセンサーは、既設のケーブルなどに噛ませて(挟み込んで)利用できるちいさなもので、無線(日本ではPHS)でデータを収集できる。後付けできるので、容易に展開できるのが特長となっている。この仕組みはデータセンターなどでももちろん応用できるとのこと。さらに、製造業では温度や湿度などを品質維持のためにモニターすることもあり、これらのセンサーもオムロンでは提供しており、そこから収集されるデータも今回の仕組みでリアルタイムに管理できるとのことだ。

 まずは国内での展開を中心に行い、基盤を固めてから海外に展開したいとのことだが、市場的にはむしろ欧米などのほうが早くに立ち上がる可能性もある。とはい、国内でも省エネ法のう改正などもあり、この分野にはとにかく早い段階で参入することが今後のビジネスの成否を決めることになるだろう。

 そして、今回のオムロンのように、センサーの部分は得意でも、上がってくるデータの処理が余り得意でないのなら、そこの開発に時間をかけているよりも、実績のあるOracleと組むというのはかなり有効な方法となるだろう。その企業がワールドワイドなベンダーであれば、なおさら市場の広がりには期待できる。CO2排出量削減は規制ではなく、やはりビジネスの大きなチャンスと捉えることができるかどうかで、今後の企業の優劣が決まることになるのではとあらためて思うのだった。

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