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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

IBM vs Oracleでいいのか

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 次の日曜日から、米国サンフランシスコでOracle OpenWorldが開催される。今年も参加する予定であり、Sunとの関係がどうなるかなど気になる話題にいち早く触れられ嬉しい限りだ。

 Sunの買収も、今回のOpenWorldの前に完了するだろうと予測していたけれど、ちょっと間に合わなかったようだ。とはいえ、11日のOpening Keynoteには、OracleのCEOラリー・エリソン氏とSunのChairmanであるスコット・マクネリ氏が登壇するので、のっけから多いに盛り上がりそうな気配も。個人的には、マクネリ氏のステージはかなり面白いので大好きなのだ。

 ところで、OracleはSunとの融合を果たすことで、目指せIBMであり、打倒IBMというメッセージを強く打ち出しつつある。エンタープライズ向けのソフトウェアでトップを突っ走り、Sunとの融合でサーバーやストレージを手に入れ、一気に総合ITベンダーになる。そんな訳だから、目指せIBMのターゲット設定はよく理解できる。実際のところ、エンタープライズITの領域ではハードウェアがどんどんコモディティ化している現状もあり、ソフトウェアで優位に立っているOracleは、見方を変えればすでにこの領域で勝利していると言ってもいいのかもしれない。

 ところで、そんなIBMとOracleの競合関係があるものの、じつはIBMは「vsOracle」の世界にはすでに興味がないのではと、ちょっと思っている。それが、Smart PlanetというIBMのメッセージに現れているのではと。もちろん個々の製品、DB2やWebspher、Lotus NotsなどはOracleとバッティングする世界があり、そこではさまざまな競合が激しく巻き起こっているのだろう。しかし、Smart Planetのメッセージを見ていると、IBMという会社自体はもっと先を見ているように思えてくる。企業のITをどうしようとかではなく、社会の仕組みをITを使ってどうSmartにして行こうかという。これについては、IBMがOracleよりも1歩も2歩も先に行っているなと思えてくる。

 Oracleの場合は、社会をSmartにしようということには直接は関与しない立場をとっている。そういうことに積極的になっている企業や政府などの、ITを強力に支援していくという立場に徹しているのだ。この場合は、あくまでも主役はOracleの顧客であり、自分たちが主役ではない。これはこれで現実的にで、堅実な態度だ。であるからこそ、Oracleが企業に数多く指示されているのだろう。

 IBMとはちょっと方向性は違うかもしれないが、じつはMicrosoftも企業としてはOracleより1歩先を行くメッセージを持っていると思う。Smart Planetとまでは行かないけれど、Microsoftの技術で未来の人々のLife Styleを変革させようとしている。当然ながら、そのときの主役はMicrosoftだ。未来のLife Styleを変革するのに必要な技術すべてを、いまのMicrosoftが持っている訳ではないだろう。そのため、なんだか夢物語にも聞こえるところもあるけれど、Microsoftのメッセージからは未来がなんだかすごく変わりそうだなということを感じさせるものがある。

 IBMもMicrosoftも、いまいまのビジネスではOracleと真っ向勝負せざる得ず、Oracleが優位に立っている場面も現状では多いのではないだろう。しかし、彼れは、すでに闘う場所を変えようとしている。OracleがSunと融合することで目指しているのが、すでに「過去のIBMの背中」に思えて仕方がない。こんなOracleに対する懸念を吹き飛ばす、力強いメッセージがサンフランシスコで聞こえてくると、ITの世界もさらに面白くなるのかなぁと思うのだが。

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