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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

CO2排出量削減にどうやって貢献するか

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 GreenITという言葉もあり、IT業界も当然ながらCO2の排出には気を遣っている。とはいえ、ハードウェア関連の消費電力削減くらいで、それ以外の貢献はなかなか難しいのが現状だ。

 もちろん、紙になるべく印刷しないとか、Web会議で出張減らすとかといった貢献方法もある。このあたりのことも、こまめに積み上げることは大事だろう。ところで、視点を変えてみればITが貢献できるところもまだまだたくさんありそうだ。

 マイコミジャーナルの記事「MS、SAPら、CO2排出データ開示の非営利団体向けにプラットフォーム提供へ」によると、MSやSAPが企業のCO2排出に関する情報開示の手助けをするプラットフォームを提供するとか。

 今後企業では、自社のビジネス活動が環境にどのような影響を与えており、それに対してどのような対策を施しているかといった情報を開示しなければならなくなる。その際にこれらの情報をまとめたり開示したりする作業に、手間とコストがかかるようでは、企業はなかなか積極的にはなれない。それでも、大手企業ならば企業体力もあり、自社の力でなんとかできるかもしれないが、中小ではそんなところに専任者を十分にあてがう余裕もなく、あたふたしかねない。

 そういった手間の部分を補うというのは、ITの得意とするところだ。このニュースによると、MS、SAP、Accentureなどが協力して情報開示のためのプラットホームを提供するとのこと。これにより、企業の排出パフォーマンス分析やベンチマーキングを容易にすることで、温室効果ガスの排出削減を促すことに。

 ちなみに、これは英国での話のようだが、日本においても東京都は来年度から温室効果ガス排出量の総量削減を義務化するので、大手企業には早急な対応が求められている。いまのところは、排出量の多い大手企業が対象だが、政府の掲げた高い目標をクリアしていくためには、多くの中小企業もなんらかの対応が求められることになるだろう。そんなときに、ITでなんらかの貢献ができないかといまのうちから考えておけば、それはそれで1つのビジネスチャンスになるのかもしれない。

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