地球上からトラがいなくなっても自分の生活は変わらない、なんてことはない
47NEWSの記事によると、世界中のトラの数がわずか4000頭とり、このままだと絶滅するだろうとのこと。
1990年代には5~7千頭いたと推定されていたので、この間に大きく数を減らしたことになる。原因としては、生息環境が狭まっていることもあれば、密猟や密輸も大きな影響があるようだ。
こういうニュースを目にすると、そりゃあ大変だなぁとはその瞬間思うが、それですぐに自分の生活になんらか影響があるわけではないので、大抵はやがて忘れてしまう。トラだけでなく、多くの生物がいま絶滅の危機にある。生態系はバランスの上で成り立つので、トラがいなくなることで崩れたバランスが、やがては人間の生活にもなんらか影響があるはず。というよりも、すでにバランスが崩れたから、トラという生物が絶滅の危機を迎えていると考えたほうがいいのかもしれない。
2010年10月にはは、「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が名古屋で開催される。国際的な取り組みとして生物の多様性を維持していくことが、将来の地球にとっては重要だというのは、いまや共通認識のはず。であっても、トラのように絶滅の可能性がある生物種がどんどん増えているのだ。
企業がどのように生物多様性を維持していくことに関わっていくべきかは、なかなか事業との関連性を見いだせず難しい面もある。多くの医薬品や食材などが自然環境から生まれているといったこともあるが、それで恩恵を受けるのは一部の医薬品会社や食材メーカーだけだと思いがち。しかし、その医薬品を利用するのも食材を利用するのも我々なのだから、無関係ではもちろんない。
ああ、トラが絶滅しちゃうんだなぁ、なんか寂しいなぁと思うだけでなく、トラが絶滅しちゃうくらい自然環境のバランスが崩れているのだなぁと思うようにしたほうがよさそうだ。先日は、クロマグロの輸出を禁止しようという欧米の動きが新聞などで報道されていたけれど、きちんと生物多様性を守って行けなければ、やがておいしいものも食べられなくなる未来になってしまうだろう。