都会にはハクビシンがいるのだ
ちょっと前のことだが、下北沢から徒歩で帰宅しようとしていたら、電線の上を歩く動物に遭遇。
大きさは猫よりも一回りから二回り大きいくらいか。すでに夕方だったので、はっきりは確認できなかったが、鼻筋が白いからおそらくハクビシンだと思われる。器用に2本の電線を掴んで、道路を渡っていく。
まさか、こんな都会でハクビシンに出会うなんてことは想定していなかったので、反応できずにはっきりいって固まってしまった。もちろん、携帯電話で写真を撮るなんていう余裕もなかった。その後、ツレが家の近所でも再び電線の上を歩くハクビシンを見たり、知り合いも近所で見かけたということなので、どうやら自宅近くにハクビシンが生息しているようだ。いったいどんな生活をしているのか、かなり興味がある。
今日の日経新聞の朝刊に、目黒区で区内の動植物を調査した結果、区内で見られる動植物が約2000種類あるという記事が掲載されていた。そのなかには、このハクビシンやインコなど本来はいないのではという動物も含まれているとか。ペットが逃げて野生化したものや、あるいは温暖化で生息域を広げているものもいるのではとのこと。このあたりは、環境の変化が動植物の生息に影響を与えているということに。
一方で、目黒川というと、きたなくて大雨で氾濫するやっかいな川というイメージがあるが、いまでは水質の浄化も進んでアユやウナギなんかも戻ってきているとか。悪くなっているところもあれば良くなっているところもあるということか。
都会には、タヌキもけっこういるらしい。こちらもホテルニューオータニのそばなどで、自分も一度目撃している。杉並区の住宅街の路上では、交通事故に遭ったタヌキも一度見かけたことがある。野生の動物がいるくらいの都会の環境も悪くはないなぁとは思うのだけれど、それが山の自然が壊された結果やむなく都会に出てきているのだとするとちょっとかわいそうかな。
とにもかくにも、自分は野生動物を見かけると、妙にわくわくする。というわけで、ハクビシンを見かけて以降、夕方街中を歩いているときはついつい頭上の電線が気になっているのだった。最後に野生動物好きにお薦めの本を。『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』というのがそれ。鳥取環境大学の小林朋道教授が書いている本で、これはシリーズ1冊目。こんな大学ならもう一度勉強しに行きたいなぁと思わせる内容の本だ。