オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

日本はグリーンな政策で国際的なリーダーになる気があるのか

»

 さて、本日は環境の日、あいにくの雨ではあるが各地でさまざまな関連の催しや活動行われているようだ。

 ところで、先日来なんとなく気にかかっている2020年の日本の温暖化ガス排出削減目標の数字だが、自民党政府は1990年比で7%に落ち着くのかなと思われるが、それじゃあ他の政党はどんな主張をしているのかと思いちょっと調べてみた。

 次期政権政党になるであろう民主党。Webページをざっと検索してみたけど数値がすぐには見つからない。ということで、メールで問い合わせてみた。するとすぐに返事がきてこんな文書があることを教えてくれた。

 これによると、民主党としては、2020年までに1990年比25%削減する、そして、2050年よりもできるだけ早い時期に1990年比60%超削減をめざすとのことのようだ。 これは、ちょうど一年前に数値目標を盛り込んだ形で、「地球温暖化対策基本法案」として参議院に提出されており、そのときから一貫した政策方針ということになる。かなりチャレンジングな目標を設定しているわけであり、彼らが政権を取った暁には、現実的な具体案がどういうものになるのか注目したいと思う。ちちなみにこの時点で掲げられている基本施策については、特段これはすごいというものがあるわけではない。

 調べた中でもっとも高い目標を掲げていたのは、期待通りというか、共産党だった。「新しい日本をめざす日本共産党の基本施策」というマニュフェストの文章中に、

国として2020年までに30%削減することを明確にした中期目標を確立し、2050年までに80%削減するという長期目標をすえて、それにむけて着実に実現していくための通過点を明示すべきです。福田ビジョンのように90年比で7・7%も増加した2005年を基準にして、「2050年まで60~80%削減」の長期目標だけを出すのでは、内外の信頼は得られません。

という記述がある。民主党より5%高い目標が掲げられている。

 さて、環境行政には力を入れているし、現在の環境省の大臣を輩出している公明党はどうか。昨年の洞爺湖サミットの際に提出した「北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言」という文章の中に長期的な目標として、

そこでわが国は、IPCCが先進国は2050年に1990年に比べて80~95%削減する ことが必要としていること、国立環境研究所などの研究チームが昨年2月に「2050年日 本においてCO2を1990年比70%削減する技術的ポテンシャルは存在する」との研究 成果を示していることなどを踏まえ、2050年に80%削減することを視野に入れた長期 目標を掲げること。

中期的な目標として、

先進国は2020年に1990年に比べて25~40%削減する必要があるとのIPCCの科学的知見を念頭に、わが国の削減ポテンシャルも踏まえ、2020年に25%削減するとの中期目標を設定すること。

という下りがある。共産党同様、かなり目標値は高い。つい最近も、斉藤環境相は1990年比15〜25%減を改めて主張しているということなので、25%とはいわずとも15%越えというのは確実に目指すところと言えるだろう。

 この他にも社民党は昨年の洞爺湖サミットの際に、「地球温暖化防止、気候変動への対応に議長国としてのリーダーシップを:温室効果ガス削減の目標値として、2020年に90年比30%以上削減、50年目標に80%以上削減を目指すべき」との提言をしている。政府与党以外は、おおむねEUなどの高い期待にも応えられそうな目標数字を掲げているというわけだ。まあ、数字を掲げるのは簡単だけど、もちろんこれに向けて施策を実践するのはかなり大変だろう。高い数字を揚げているからというだけで、彼らを素直に支持できるとは限らない。

 政府が7%と決めた後に政権が変わったら、日本の目標値は変化するのだろうか。高い目標が現実路線、目先の経済対策で覆されることになるのか。そんなことも考えながら、次の衆議院選挙には参加することになりそうだ。

Comment(0)