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基準年をどこにするか

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 ここ最近、二酸化炭素排出削減目標について、何度かこのブログでも触れている。

 で、4%増なんていっている経団連に対しては、マジですかと言いたくなる。彼らは、本当にそれでいいと思ってこの数字はじき出したんだろうか。自分たちのことしか考えていないと批判されても、ビジネスを、企業を守るというのだろうか。そんなんじゃあ、守りたくてもそのときには地球環境がぼろぼろでということにも。。。

 まあ、とりあえず4%増なんていうのはちょっと脇に置いておいて、政府案は7%削減に落ち着きそうな雰囲気。ところが、これに対して基準年を見直すという新たな姑息な技が浮上してきており、話がややこしくなっている。

 現状で4%増とか7%減とか、25%減といういろいろな数字が登場しているが、これらは1990年の排出量を基準として2020年にどれだけ削減するのかという目標の数字だ。これを、基準年を2005年に変えちゃいましょうという話がある。より現状に近いところを基準にするべきだという話だ。なんとなく納得できる理由だけど、じつは2005年を基準にすると、7%という数字は、14〜15%程度に増えることになるらしい。つまり、2005年のほうが1990年よりも、日本は温暖化ガスの排出量が多いからだ。スタート地点が上がるってこと。

 この2005年というのは、米国が言い出したらしい。より現在に近いというのなら、なぜに2009年じゃないのかという素朴な疑問も。数字のキリが悪いからだろうか。なんだかこんなややこしい話になるのなら、いっそパーセントではなく、削減総量にすればいいんではないだろうか。何トン削減しますみたいな。

 どちらにしても、グリーンとかいうのを政策の柱にするつもりがあるのなら、是非とも果敢な数字を目標に定めて欲しいものだ。小さな目標に対してそれ以上の効果を期待するのってどうよと思うし、大きな目標があればこそ、いままでの枠組みを壊し、まったく新しい発想もできようってもんじゃないだろうか。7%程度なら、小さな声でがんばりますと言う程度なんじゃないのかな。

参考記事:

基準年は05年に=削減値を「底上げ」-温室ガス中期目標・政府(環境メディア 2009/06/03)

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